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» 2019年01月15日 10時00分 公開

ロボットを増やすだけではダメ、第一生命も実践したRPAの導入アプローチエバンジェリストが教える、RPA成功の絶対条件(3/3 ページ)

[志村裕司,Blue Prism]
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ブラックボックス化させない、RPAの副次的なメリット

 RPA導入のプロジェクトを進めていると、現場から意外なメリットの話を聞くことがあります。RPAでより大きな効果を出すため、現状の業務をそのまま自動化するよりも、業務手順や判断のルールをあらためて見直し、ロボットが処理しやすい形にしてから自動化するという手順がよくとられますが、これはいわば「ミニBPR」と呼べます。

 この作業によって属人的に行われていた業務が可視化され、ブラックボックス化を防げるため、人に依存しない組織を作り上げることが可能になります。また、現場の業務改革意識が促進され、従業員が積極的にロボット化できそうな業務を見つけてリクエストを上げるようになります。これらはRPAの副次的なメリットとして最近よく聞く話です。

 このサイクルを仕組み化するためにも、自動化対象の業務プロセスのドキュメント化は必要です。これはROMでいうところの「プロセスアナリスト」と呼ばれるメンバーの役割に含まれます。

 海外を含めてBlue Prismの展開が成功している企業を見ると、業務部門へのヒアリングから要件定義、設計、ドキュメント化に全体工数の約60%もの時間をかけています。ここが緩いまま開発やテストのフェーズまで進んで追加要件や修正が入ると、手戻りの工数が大きく発生してしまうため、最も力を入れるべきフェーズといえます。RPA導入の際は、面倒だと思わずにミニBPRからはじめることをオススメします。

自動化プロセスの選定対象

 最後に、どのような業務を自動化すればより大きな効果を得られるでしょうか。デスクトップ型のツールは自動化の対象が非常に狭く、個人作業の補助にしかならないため、人と人をつなげたプロセスの自動化まではできません。一方、部門をまたいだ大きな単位の業務プロセスは、自動化できれば効果は最も大きいのですが、それは難易度が高いため、強力なトップダウンや外部コンサルタントの力が必要になってきます。

 本連載で述べてきたように、RPAで部門内のプロセスを自動化し、ロボットの数を増やしていけば十分大きな効果が狙えます。部門またぎの本格的なBPRまではいかなくとも、部門内でミニBPRを推進して、現実的な運用方法と組み合わせて実利を追うのは悪くない考えだと思います。

 いかがでしたでしょうか。今回はROMの詳細までは説明できませんでしたが、こういったフレームワークを活用し、全体像を描いた上でRPAに取り組むことが成功への近道となります。RPAの導入を短絡的に考えず、ぜひじっくり計画を練ってみてください。

 さて次回はいよいよ最終回。RPAの未来を予測したいと思います。最近では、RPAとAI-OCRの連携なども話題ですが、今後ますますRPAの適用範囲は広がっていきます。一体どのようなことが可能になるのでしょうか。どうぞお楽しみに。

企業紹介:Blue Prism

RPA(Robotic Process Automation)ソリューション、「Blue Prism」を提供する企業。2001年に創業以来、RPAのパイオニアとして、約15年にわたり世界中の企業における新たな働き方の実現を支援してきた。「エンタープライズRPA」というコンセプトのもと、拡張性、耐障害性、セキュリティ、コンプライアンスといった機能を提供し、クラウドやAI(人工知能)との連携もサポート。Coca-Cola、Pfizer、IBM、Nokia、Siemens、Zurichといった有名企業で多くの実績を持つ。

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