2019年4月、無料グループウェアとして広く利用されてきた「サイボウズLive」のサービスが終了する。現在これを利用する企業は、期日までに何らかの乗り換え先を探さなければならない。
そこでサイボウズLiveの乗り換え先に名乗りを上げたのがLINEだ。正確にはビジネス用LINE「LINE WORKS」を提供するワークスモバイルジャパンだ。
無償通話アプリ、あるいはチャットツールと呼ばれるLINEがグループウェアの代用になるとは、すぐには理解しにくいが、実はLINE WORKSには、掲示板もノートもカレンダーも共有フォルダもある。またログ管理機能もあり、仕事で使うグループウェアとしての機能も兼ね備える。
LINEでのコミュニケーションに慣れていれば、ITリテラシを問わずに利用できることから、店舗スタッフやフィールドワーカーを抱える企業のコミュニケーションツールに適する、というのがこのツールのポジショニングだ。
11月26日に開催されたイベント「LINE SMB Conference」は、LINEおよびモバイル送金・決済サービス「LINE Pay」を展開するLINE Pay、仕事用のLINE「LINE WORKS」を提供するワークスモバイルジャパンの3社が、中小規模事業者向けのサービス強化を打ち出した。この中でも、本稿では無料グループウェアとしての強みを打ち出したLINE WORKSについて見ていく。
LINE WORKSは個人事業主やSOHOなどの小規模事業主の利用が多い一方で、大企業の働き方改革や業務効率化の一環として社内メールの代用やスケジュール共有、データ共有などの基盤として利用されることも少なくない。
大企業でのニーズを裏付けるように、このイベントに先立つ2018年11月22日にはSAPのERP「SAP S/4HANA」との連携に正式に対応することも発表している。在庫引き当てや納期回答のような操作を、LINE WORKSのチャット機能を使って社外のスマートフォンからでも問い合わせられるようになる。
イベント当日は、こうした同社の実績を踏まえつつ、中小企業の働き方改革支援も強化することが明らかになった。
今回注目を集めたのは、LINE WORKSが無料で利用できるようになった点だ。もともと同社では期間限定で「永久無料キャンペーン」を実施していたが、これを定常メニューとして広く利用者の裾野を拡大するかたちだ。
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