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» 2018年11月26日 08時00分 公開

400人の知人が採用候補――サイバーエージェントが挑むリファラル採用の軌跡IT完全導入ガイド(4/4 ページ)

[土肥正弘,ドキュメント工房]
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高額なインセンティブで選考通過率が1/10に

 トライ&エラーを繰り返す中で、失敗した施策もある。リファラル採用を行う企業では、しばしば従業員のモチベーションを上げるために、人材の紹介を行った従業員に対してインセンティブ(報奨金)を用意するケースが多い。同社では、紹介率を上げるためにインセンティブの金額を引き上げたことがあったが、結果的にニーズにマッチしない紹介が増えてしまった。

 「高額なインセンティブを設けたことで、紹介数は増えました。しかし、自社との相性といった紹介の”質“が低下し、選考通過率は10分の1にまで低下しました」(桑田氏)

 桑田氏はこの失敗を振り返り、インセンティブはモチベーションを引き上げる要素にはなるが、従業員の動機付けを行うには「自分たちの会社は自分たちで強くする」という考え方を根付かせることが重要だという教訓を語った。

リファラル採用が採用実績の30%を占める

 リファラル採用に尽力する中途採用専門チームが立ち上がって4年が経過した今、従業員からの紹介数も着実も増え、2018年の上半期だけの成績を見ても、全従業員約5000人で、紹介数は約数百人、応募者はその半数、採用者は数十人にのぼっている。リファラル採用は年間の採用実績全体の約30%を占めるという結果も出た。

 「子会社との連携の取り組みも進めており、リファラル採用を積極的に行い、実績を作っている子会社にはRefcomeのアカウントを発行し、人材の機会損失が起こらないようにやりとりしています」(桑田氏)

 リファラル採用の機動力となった中途採用専門チームの存在感は大きく、桑田氏も「リファラル採用を成功させるためのポイントの1つは、中長期的な目線で戦略を立て、取り組みを進められる専任のチームを設けることです」とコメントをしている。同チームは、現在カルチャー推進室とともに、リファラル採用を促進させるための土壌づくりにも専念する。

 「社員が情報交換をできる場を設けたり、20年間の事業の中でどうやって成長してきたかという歴史書、エピソードを本にして自社の理解を進めたりといった取り組みによって、従業員がより『他人に紹介したい』と思うような組織を作りたいと思っています」(桑田氏)

 桑田氏、中富氏ら中途採用専門チームは、リファラル採用だけでなく、ダイレクトリクルーティングなどの手法によって、現場と応募者のミスマッチの少ない選考を実現すべく尽力する。2021年までには、「直接採用を100%にする」目標を掲げ、日本一の採用チームを構築するという抱負を語った。

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