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» 2018年11月26日 08時00分 公開

400人の知人が採用候補――サイバーエージェントが挑むリファラル採用の軌跡IT完全導入ガイド(3/4 ページ)

[土肥正弘,ドキュメント工房]

2000枚以上のチラシ、ポスターを配布――リアルな接点を重視

 オフラインの施策でも制度の周知を図る。例えば、社内報では、「自分のまわりのいいやつ採用」という連載を設け、紹介者と入社者それぞれのインタビュー記事を作成している。従業員が紹介のイメージを持てるよう、「どういうタイミングで声を掛けたのか」「なぜ入社を決意したのか」「紹介の際に感じた不安感」などの話題を盛り込んだ。

 ポスターを使った施策も行った。少女マンガのタッチで描いた紹介ポスターを作製し、事業部のフロアごとに掲示したのだ。掲示の場所は通路の壁などではなく、コピー機の上やカフェといった目に付きやすい場所を選び、デジタルサイネージも活用した。

 ちなみに、ポスターをA4サイズのチラシにしてピザの箱に貼り付けるという地道な作業も成果につながったと中富氏は振り返る。同社では福利厚生の一環として月に1度従業員にピザを配布しており、その制度に着目したアイデアだ。手作業で1枚1枚貼り付けるという苦労が実を結び、配布日とその翌日には紹介数がぐっと増えた。最終的に、配布したチラシは2000枚にも上り、従業員への周知を促進するとともに、同社がリファラル採用に力を入れていることを印象付けたという。

 桑田氏は、こうした地道な活動を振り返り、ツールだけに頼りすぎてはいけないと注意を呼び掛ける。「車に例えるとエンジンがRefcome、ガソリンが社員のモチベーションです。ガス欠が起きては、何も始まりません。そして、人を動かすのは人だけ。従業員とリアルな接点を持ち、対話することで制度の認知が進み、紹介が増えていくのです」と語り、オフラインも含めた施策の重要性を強調した。

知人を紹介するハードルを下げる

 従業員の紹介数を上げるためには紹介しやすい仕組みを整えることも大切だという。中富氏は「知人を紹介することに対する、従業員の心理的ハードルは高い。紹介しても自社に合わなければどうしようと考えてしまいます」と話す。

 同社は、従業員が紹介した人物に対して、選考には直接関係ない“カジュアルな面談”を設けている。カジュアル面談の場では、応募者が自社のことを十分に理解してから選考に進めるよう、自社の仕事のつらい面も忌憚(きたん)なく伝えることを意識している。入社前と入社後のイメージにギャップがなければ、早期の離職率も下がり、紹介活動にも結び付くと中富氏は語る。

 さらに、選考の結果で不合格になった場合のフォローアップにも気を遣う。人材を紹介してくれた従業員には、チャットやメッセージ、直接面談を通してフォローを行うことで、できる限りモチベーションが低下しないように配慮している。

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