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» 2018年11月16日 17時00分 公開

RPAをやる時間もない――多忙すぎるメタルワンの「ロボットコンテスト」奮闘記事例で学ぶ! 業務改善のヒント(3/3 ページ)

[土肥正弘, 溝田萌里,キーマンズネット]
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コンテストが新ロボ「全社標準ロボット」を生む

 大成功を収めたロボコンは単なるイベントとして終わらず、部を超えたコラボレーションと業務標準化の契機にもなった。それぞれの現場が違うアプローチで行っていた仕事を並べて見つめることで、お互いに標準化できる部分が見えてきたのだ。バラバラだった仕事のやり方を俯瞰する視点で「そろえられるプロセスを標準化し、ロボットに任せてみよう」というアイデアも生まれた。

 具体的な成果としては、「全社標準ロボット」が挙げられる。これは、コンテストで幾つか応募のあった、共通性の高い業務を行うロボットを、全社で使えるロボットとしてあらためて開発したものだ。こうした取り組みは技術サポートを行っている豆蔵による週1回2時間の社内相談会「RPAラボ」で育まれている。同社がかねて抱えてきた「業務の属人化」という問題もコンテストを機に解消へと向かっている。

100台のロボットを活用するためのRPAルール作り

 ロボットコンテストという「エンジン」によって、メタルワンは現場におけるRPAの取り組みを促した。コンテストで作られた79台のロボットが生み出す時間は6000時間にものぼる。コンテスト終了後もロボットは増えており、効率化の可能性は広がりをみせている。現在は、これらのロボットを本格的に活用するためのルール作り、環境作りに尽力していると齊藤氏は説明する。

 ルールは「開発や運用のしやすさ」を損ねず、かつ必要な統制を実現できるよう議論を重ねて策定した。統制の考え方は内部統制チームや情報セキュリティ管理チームも交えて整理したという。

 例えば、ロボット開発では現状業務およびロボット化のフローを文書化したもの、ロボットが止まった際のバックアップ手順書、テスト計画およびテスト結果の報告書、利用申請などを求める。さらに、「野良ロボット」が生まれないように稼働中のロボットを全て把握し、その実行をサーバ上で集中管理する「WinDirector」(NTTデータ)も導入した。

 環境作りも進行中だ。基幹システムの「ログイン機能」のような共通部品を提供するポータルサイト「MetalOne RPA Portal」や開発申請を簡単にするためにワークフローを整備して、現場がロボットを作りやすくなる工夫を重ねる。齊藤氏らの取り組みは今後も続く。

MetalOne RPA Portal MetalOne RPA Portal

 多忙な現場の業務を何とかして効率化したい――「ロボットコンテスト」という一風変わったRPAの推進方法は、こうした思いから生まれた。それ故にロボコンの運営からルール作りまでを主導するメンバーは、「現場が無理なく楽しんで取り組むにはどうしたらよいだろうか」「現場にとって、業務がどうなればよいか」ということを念頭に置き、工夫を重ね続ける。常に業務を中心に考えるメンバーの軸があるからこそコンテストが成功し、バラバラだった業務の標準化が前進できたのだろう。同社は今、RPAで創出された時間を企業の成長につながる新しい事業に振り向けるための構想を練っている。

 「RPAによる効率化をグループ企業にも広げ、モチベーションを高めることで、新しいビジネスの創出につなげたいと思っています」(齊藤氏)

メタルワン 小林玲子氏、安藤友紀氏、齊藤桂司氏、植田聖子氏 (左から)メタルワン 小林玲子氏、安藤友紀氏、齊藤桂司氏、植田聖子氏
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