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» 2018年10月09日 10時00分 公開

Java 8はいつまで使えるか ライセンス体系変更でJava業務アプリ、この先どうする?(3/3 ページ)

[原田美穂,キーマンズネット]
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選択肢は4つ……かと思いきや5つ? 流動的なJava 8アプリの今後

 2019年1月以降のJava 8ユーザーの選択肢は複数考えられる。

(1)Oracle Javaの有償サポートを受けてJava 8アプリを延命する

 この選択をした場合でも2020年にはJava 8のサポートが切れるためJava 11などへの移行計画は検討する必要がある。

(2)OpenJDKに移行して無償サポートを受ける

 OpenJDKに移行し、OpenJDKのリリースサイクルに従ったアップデートサイクルを順守する(6カ月ごとのリリースサイクルに対応する)

(3)Oracle以外のベンダーの有償サポートを受けてJava 8アプリを延命する

 具体的には、レッドハット、富士通、日立、IBMなどが独自にサポートを行っている。例えばレッドハットの場合、OpenJDK 8のサポートを2020年10月までとしており、それ以降については、OpenJDK11に移行することを条件に長期サポートを提供すると表明している。また、IBMの場合、IBM JavaのSDKを利用したアプリケーションに限り、少なくとも2025年までは独自の延長サポートを行うと表明している。また、それ以降も各社が独自にJava 11のサポートを行う計画がある。今後もJavaアプリケーションを運用する場合は、周辺業務アプリの改修や刷新計画と合わせて、他の製品やサービスと連携しやすいベンダーが提供する実行環境に移行する計画を立てるのも1つの方策だろう。

(4)Java 11に移行してLTSサポートの契約を締結、過酷な短期リリースサイクルを回避

 半年おきのリリースサイクルに追従できない場合はJava 11から提供される長期有償サポート(LTS)を受ける。LTSの場合もサポートサイクルは決して長いわけではなく、3年であることには注意したい。Java 11への移行に際しては、それ以降のバージョンアップ作業を軽量化する方法も検討しておく必要がある。

 ここまでは既知の対処方法としてJavaユーザーの間でも議論されてきた方法だが、2018年6月、OracleはJava8ユーザー救済策として、Oracle Java SE Subscriptionを発表した。これにより、Oracle自身による低価格でのサポ−トを受ける選択肢も検討できるようになった。このため、新たに選択肢(5)を検討することもできる。

(5)Oracle Java SE Subscriptionを契約してJava 8のサポートを継続する

 Oracle Java SE Subscriptionは2025年までサポートを継続するとしており、低価格で利用できる点が特徴だ。

 日本オラクルの公式FAQによれば、プロセッサライセンスの場合は「サーバまたはクラウド・デプロイメントでの利用に対して月々3000円以下」(2018年8月3日現在)としている(デスクトップライセンスもあるがここでは割愛する)。

Oracle Java SE Subscriptionの価格 表1 Oracle Java SE Subscriptionの価格(出典:日本オラクル)

 対応が間に合わず、かつサポートなしでの利用が許されない場合、状況によっては高額なサポート費用負担が発生する可能性がある。少なくともサーバサイドで動作させるJavaでセキュリティ面での問題をクリアしたい場合には、緊急でサブスクリプションライセンスの予算を見積もっておく方法も考えられる。

アプリケーションの根本的な変更は是か非か

 ここまで見てきたように、Javaアプリケーションの今後はまだまだ混乱が多く、状況は流動的だといえる。ベンダーの都合でやや騒動になってしまった点は利用者にとって不幸なことに間違いない。だが、開発の主軸がコミュニティーベースになったこと、参加ベンダー各社がエンタープライズJavaの企業資産を保護するために多様な提案を用意し始めている点は、利用者にとって選択肢が増えることにつながるため、総じてプラスといえる状況だろう。レガシーマイグレーションをキーワードに、Java実行環境の乗り換えを起点としたクラウドと親和性の高いマイクロサービス型のアーキテクチャへの変換シナリオを提案するベンダーも多い。クラウドの利用や機能単位での開発や継続的インテグレーションなどにも取り組みやすくなり、将来的な開発工数や運用費用削減も期待できるだろう。

 今後のJavaアプリ運用上のコスト算出の際は、こうした周辺環境の発展性や運用の現代化による効果も見込んだ評価を行うと発展的な提案に導きやすくなるだろう。

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