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5G時代の先を開拓する無線技術「OAM-MIMO多重伝送」って何?(4/5 ページ)

» 2018年08月22日 10時00分 公開
[土肥正弘ドキュメント工房]

5モードのOAM波と4セットのアンテナにより合計11多重を実証

 実験は、 70センチ角の送信アンテナ(最外側のアレーアンテナの直径は、64センチ)と同型の受信アンテナを実験室(電波暗室)内に設置し、10メートルの距離での送受信を試行したものである(図3、図4)。

実験に使用した送受信アンテナ 図3 実験に使用した送受信アンテナ(出典:NTT)
実験室(電波暗室)内の様子 図4 実験室(電波暗室)内の様子。奥側のアンテナと対向して手前側にもう1つのアンテナがある(出典:NTT)

 送受信装置のアンテナ部には、中心に1つのアンテナ、それを囲み同心円状に4つの円形アレイアンテナ(UCA)が配置されている(図3)。送信側では中心のアンテナでモード0、2セットのUCAでそれぞれモード0、1、2、-1、-2のOAM波を同時に生成する(マイナスは逆回転を表す)。受信側では送信側と一致するモードで受信する。

 図5のマトリクス図のオレンジ色の丸印がそれぞれ別々のデータストリームを示している。その数(多重数)は合計11であり、全部合わせて100Gbpsのデータ信号がエラーなく伝送できることを確認した。またこの試作機の全てのアンテナを利用すれば、合計21多重まで実現可能なことも示された。

OAM−MIMO多重伝送によるデータ伝送多重化 図5 OAM−MIMO多重伝送によるデータ伝送多重化(出典:NTT)

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