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» 2018年08月06日 10時00分 公開

約7000人の従業員に活用を促した、電通のRPA導入成功の鍵IT導入完全ガイド(3/3 ページ)

[土肥正弘,ドキュメント工房]
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現場には開発させない――ガバナンスを重視した運用ルール

 大規模展開に当たって重要になるのが、ロボット開発・運用ルールだ。前述したように、同社では従業員からのオーダーを基に、ロボット人事部が開発と運用管理を一括して担う。この基本ルールは、ガバナンスの保持、効果的なRPAのスケール、ロボットの品質保持に寄与している。以下で詳しく説明しよう。

(1)ガバナンスの保持

開発と運用管理をロボット人事部が担うことで、部門で勝手に作られる「野良ロボット」が発生する余地はなく、統制の効いた大規模ロボット展開が可能になった。

(2)効果的なRPAのスケール

 ロボット人事部では、マネジメントチームが対象業務を仕訳し、優先順を付けてロボット開発に取り組む。業務ノウハウのあるマネジメントチームが決定権を持つことで、効果の出る業務にRPAを適用する狙いがある。

 ちなみに、ロボット化の可否や優先順位の判断は柔軟に行うことが鍵だ。例えば、初年度は、どれだけの時間が創出できるかを大枠の基準とし、数百人が行うオペレーション業務を打ち取ることで大きな効果を得た。しかし、ボリュームの大きい共通業務の数は限られ、現在は一人の従業員の仕事がどれだけ楽になるかを重視しているという。今後はロングテールで効果を発揮する業務の自動化が主になると小柳氏は考えている。

放っておくと使われなくなる「ロボネグレクト」

 ロボットを開発してユーザーに納品した後も、ロボット人事部の仕事は終わらない。従業員がロボットを使い続けるよう、ユーザーの業務自動化に伴走し、必要なメンテナンスや改善を行い続ける。

 「RPAにはプチトラブルがつきものです。一度ロボットが止まってしまうと、ユーザーはすぐにロボットを放置するようになり『ロボネグレクト』が起きてしまう。何年も手作業で行ってきた仕事では、止まるロボットを使うよりも自分でやってしまう方が早いと考えるためです。そうした事態を回避するために、トラブルにはすぐに対応し、ユーザーの要望や業務の変化に合わせてロボットを改善していくことが重要です」(小柳氏)

 ロボット人事部がRPAの活用を維持し、さらに他の領域にロボットを適用させることで、頭脳を使う仕事の時間が増え、生産性も向上する。その改善サイクルを、社内全体で作り出していくことで大きな改革の波となる。ロボット人事部は改革の種を全社にまき、育て、波及させていく重要な役割を担うといえる。

 「通常のSI案件と異なり、RPAはユーザーに納品してからがスタートです。常にユーザーに寄り添って、終わりはありません。ロボット人事部のような組織がなければRPAは成功しないでしょう。今後、RPA活用に行き詰まる企業も増えてくると思います」(小柳氏)

 しかし、常にユーザーのRPA活用に伴走して動く組織を持てる企業は少ない。そこで小柳氏は、「日本のロボット人事部」が必要だと語る。すなわち、同一のプラットフォームで多くの企業がロボットを共有し、その活用を横断的に見守る組織だ。RPAの初期ブームは終息しつつあるといわれる中、日本のロボット人事部がその打開策ともなるだろうと小柳氏は話した。今後も、同社の「働き方改革」における1つの支柱として、RPAは重要な役割を果たすことになるだろう。

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