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保留や転送、スマートフォンでどうやるの? クラウドPBXサービス運用の現実IT導入完全ガイド(5/5 ページ)

» 2018年07月09日 10時00分 公開
[酒井洋和てんとまる社]
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スマートフォンでの運用に求められるもの

 従来の固定電話の運用と比較して注意すべきなのが、スマートフォンに関する運用管理だ。これはクラウドPBXだからこそではないが、スマートフォンを業務で利用するためには、いわゆる端末の紛失などのリスクに備えた機能は必要になってくるだろう。遠隔からデータ消去するリモートワイプの機能をはじめとしたMDM機能は実装するべきであり、そんな機能がクラウドPBX側に備わっているとありがたい。

 また、紛失時に困るのが電話番号の外部流出などだ。そんなときにも、クラウドPBX側で電話帳が一元管理できるようなサービスであれば、端末側に電話番号を残さずに済むため便利だろう。着信履歴などの情報も端末に残らないような形で運用できるようなものを検討したい。

ダウンロードしたことがない人も…注意したいユーザー教育

 直接的なサービス選びのポイントではないものの、実際にスマートフォンでの利用を開始する前には、ユーザー教育が行われることが一般的だ。普段からスマートフォンに慣れていれば問題になるようなことはないが、慣れていない人が固定電話と同じように使いこなすのは大変なケースも少なくない。

 保留や転送の方法など日常利用する機能をどう使いこなすのか、しっかりとした教育が必要になる。中には、ストアサービスからアプリ自体のダウンロード方法分からないといった、初歩の初歩でつまずく人も実際にはいる。その意味でも、できる限り現場に負担のない、分かりやすい仕組みを選びたい。

 これは管理者側にもいえることで、これまで内線電話の設計をインテグレーターに丸投げしていた従来とは異なり、今度は自分たちでWebインタフェース経由で変更や追加を行っていくことになる。その使い勝手につながるUIやUXについても十分に見ておきたいところだ。

休日でも電話に出るの? 忘れてはならない制度設計

 従来の固定電話運用からスマートフォンが中心になると、これまでとは異なる働き方が要求されることになる。そこで十分考えたいのが、人事規定やセキュリティ基準の見直しだ。人事規定に関しては、例えば時間外労働をどう適切に把握するのか、勤怠管理の考え方はどうするのか、評価制度はどうするのかといった、新たな働き方に対する制度面での整備が必要になる。

 人事規定の面から、定時時間以外はアプリを落とすといった運用も追加する必要があるだろう。また、スマートフォンにおけるデータ管理の在り方について、セキュリティのルールも見直す必要があるかもしれない。人事規定に抵触しないよう、厳格な時間が管理が可能なサービスを選ぶといった、制度の面からサービスを見ていくといった視点も必要になるはずだ。

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