メディア

SFAとMAの視点から見た中堅・中小企業のCRM実像すご腕アナリスト市場予測(3/4 ページ)

» 2018年04月25日 10時00分 公開
[岩上由高ノークリサーチ]

CRMにおける課題と導入形態の最適解

 これまで見てきたように、昨今のCRMは大きな変化を遂げている。ユーザー企業にとしては「CRM導入で得られるメリットは享受したいが、どのような注意点があるのか気になる」と考えるのが当然だ。そこで、既にCRMを導入している年商500億円未満の企業に対して現状の課題を尋ねた結果のうち、注目すべき項目をピックアップしたものが以下のグラフである。

「CRM」に関して現時点で抱えている課題 図3 「CRM」に関して現時点で抱えている課題(複数回答可)(年商500億円未満全体)(出典:ノークリサーチ「2017年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」)

 一般的に、ユーザー企業が新しいIT活用に取り組む際にはコストが問題になりやすい。だが、上記のグラフを見ると、「導入や保守サポートの費用が高価である」や「バージョンアップの費用が高価である」といったコストに関連する課題の回答割合は他の項目(主に機能に関する項目)と比べてそれほど高くない。

 CRMはセキュリティやバックアップのような「ITのためのIT支出」とは異なり、上手く活用すれば企業の収益を改善する効果が期待できる。そのため、CRMを導入済みの多くの企業にとっては「費用がいくらかかるか」より「収益改善に必要な機能が備わっているか」が重要な課題となってくるわけだ。ユーザー企業がCRM導入を検討する際は「とにかくコストを低く抑えること」を最優先するのではなく、「収益改善のために必要な機能は何か」を出発点とすることが大切といえる。

 では、機能面の課題について見ていこう。上記のグラフの中で機能に関連する課題は大きく2つのグループに分けることができる。1つ目のグループは「既存の情報系システム(グループウェアなど)と連携できない」と「既存の基幹系システム(ERP/会計/販売など)と連携できない」である。これら2つの項目は「SFAとしてのCRM活用」に深く関連している。SFAでは営業担当者の活動を共有することが重要だ。

 一方で、既に多くの企業はグループウェアで従業員のスケジュールを共有している。SFAとグループウェアが連携していないと、スケジュールを2重に入力する手間が発生してしまう。また、SFAには見込み案件情報が格納されている。これはERPや会計といった基幹系システムにおいて収益予測や予実管理を行う際には極めて重要な情報だ。

 そのためSFAから基幹系システムにデータを提供できるようにしておく必要がある。このように「SFAとしてのCRM活用」を成功させるためには既存の業務システムとの連携が非常に重要となってくる。

 2つ目のグループには「Webサイトのアクセス分析やページ最適化ができない」および「メールによる顧客の開拓やニーズ分析ができない」といった項目が該当する。これら2つの項目は「MAとしてのCRM活用」に関連するものだ。

 MAが目指す「Webサイト、メール、SNSの連携による顧客との関係深化」を実現するためには、Webサイト上で誰が何を見ているのか、誰にどんな内容のメールを送るべきかといったことを適切に把握する必要がある。単にWebサイトとメールを連携させれば良いというわけではない点に注意が必要だ。従って「MAとしてのCRM活用」で成功を収めるためには、既存のWebサイトやメールに適切なデータ分析の機能を持たせることが重要な取り組みとなってくる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

会員登録(無料)

製品カタログや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます。