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基幹系システムの利用状況(2018年)/後編IT担当者300人に聞きました(1/3 ページ)

キーマンズネット会員239人を対象にアンケート調査を実施した。基幹系システムを利用しない理由や今後期待する機能など基幹系システムが抱える問題点が明らかになった。

» 2018年03月29日 10時00分 公開
[キーマンズネット]

 キーマンズネットは2018年2月18日〜3月2日にわたり、「基幹系システムの利用状況に関するアンケート」を実施した。全回答者数239人のうち、情報システム部門に所属する回答者は44.4%、業務部門に所属する回答者は31.0%、管理部門に所属する回答者は10.0%であった。従業員数では100人以下の企業が18.0%、101〜1000人の企業が36.8%、1001〜5000人以上の企業が25.5%、5001人以上の企業が19.7%であった。

 後編である本稿では、基幹系システムを使わない理由や課題、今後期待する機能などを紹介する。なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があるので、事前にご了承いただきたい。

「期限切れでも問題ない」「取りあえずクラウドに置き換え」リプレースしない理由

 既に基幹系システムを利用しているとした回答者のうち、リプレース予定がないとした方々には、リプレースしない理由を聞いた。「リプレースしたばかりで償却期間が残っているため」という予想通りの理由を挙げた回答者57.3%いた一方で、「サポート期限や償却期間は過ぎているが、特に問題がないため」とした回答者が25.8%も存在することが明らかになった。

 その他を選択した回答者からは具体的な理由を聞いたところ、「業務の影響範囲が多大なため」という、どちらかというとリプレースのきっかけを作れない状況にあるという声の他、「現在はオンプレミスだが、ERPのバージョンはそのままでクラウド移行を計画している」として、「クラウドシフト」を計画しているという意見が見られた。

リプレース予定がない理由 図1 リプレース予定がない理由

 基幹系システムについて「必要性は感じているが導入する予定はない」とした回答者に対しては、具体的にどのような理由で必要性を感じているかを尋ねたところ、「報告業務が煩雑なため」(41.9%)、「収支状況を迅速に把握できないため」(32.3%)、「事業規模が拡大したため」(29.0%)の順で多かった。 また、同じグループに導入予定がない理由を聞いたところ、「導入費用を確保できない」(51.6%)、「現状から移行するための工数を取れない」(45.2%)といった理由が上位を占めた。

 この他、リプレース予定のある回答者のうち、カスタマイズなしのパッケージないしSaaSを利用するとした回答者はわずか17.8%で、何らかのカスタマイズを行うとした回答者は78.6%に上った。また、同じ回答者グループにリプレース後の運用基盤をたずねたところ、「オンプレミスのみ」が43.9%で最多となった。「オンプレミス+パブリッククラウド(IaaS)」は21.4%だった。次いでパブリッククラウド(IaaS)が17.9%、SaaSが7.1%と続いた。

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