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aiboのAIから見るソニーの本気、ディープラーニングツールを公開イベントレポートアーカイブ(3/4 ページ)

» 2018年02月21日 10時00分 公開
[土肥正弘ドキュメント工房]

ディープラーニング応用に大事なのはデータセットをそろえることだけ

 このようなディープラーニング応用サービスや商品をどのように作るのかといえば、小林氏は「非常にシンプル」と言い切り、最も重要なのはデータセットの用意だと話す。画像認識の場合でいうと、まずさまざまな画像を多数用意し、その画像が何であるのか(期待する出力=正解の答え)のペアを準備することが最も大切だという。

 それさえできてしまえば、あとは「ニューラルネットの構造を設計する」ことと、「用意したデータセットをニューラルネットに渡して学習させる」ことの、合計3ステップでディープラーニングが仕上がる。

 ニューラルネットの構造設計は難しそうだが、同氏は初歩的なプログラミングの学習と大差なく学べる程度のものであり、一度理解できれば各種論文などにあるサンプルを利用して「エンジョイしながら」設計していけると言う。最後の学習そのものは、各種のフレームワークなどの利用によって、ほぼ自動的に実行できる。

 つまり何を認識したいのか、「どんなデータを入力」して、「どんな出力を得たいのか」が重要で、その2つを変更すれば、チャットbotであれ、ロボット制御であれ、いろいろな分野にディープラーニングが適用できると強調した。

 ディープラーニングは十分に汎用(はんよう)的であり、さまざまな分野で人の能力を超える性能を発揮するポテンシャルがあるというわけだ。しかも従来型の機械学習に比べて非常に簡単で、初めて取り組む人でも習得が十分可能であり、開発に必要なツールも、一部では既にコモディティ化したといわれるほど取りそろえがある。

 「発想と覚悟をもった取り組みをすれば、いますぐに誰でも利益が得られる」と同氏は言う。ただし課題はある。技術の進歩に利用者側の意識が追い付いていないのが現状で、ディープラーニング応用技術者が圧倒的に不足していることが問題だと同氏は指摘した。

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