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「このUSBメモリは自動的に消滅する」が、とんでもなくヤバい仕様だ:451st Lap金曜Black★ピット

「なお、このテープは自動的に消滅する」という、スパイ映画で定番の言い回し。エージェントへの指令が完了すると燃えて消滅するというアレは、手掛かりを残さないための便利な仕組みである。

» 2018年02月02日 10時00分 公開
[キーマンズネット]

 もはやテープもテープレコーダーも見かけない存在となったが、そのギミックを実現したUSBデバイスが存在した。しかも「これはヤバイ、ヤバ過ぎる……」と、海外サイトでちょっとした話題になっている。

 MGと名乗る謎の人物が製作した「Mr. Self Destruct」だ。動作の様子は2017年秋に動画サイトに投稿されると、じわじわと拡散して多くの人の目に触れている。一体、何が「ヤバい」のか?

 Mr. Self Destructの外見はUSBメモリそのもの。PCのUSBポートに差し込むと、普通のUSBメモリと同じように認識される。問題はここからだ。「不気味なパペットが手回しオルガンを弾いている」動画の再生が自動的に始まってから30秒程度が経過し、動画が終わるか終わらないかといったタイミングで物理的に爆発する。

 もっとも、小さめの爆竹が爆発したぐらいの印象で、接続されたPC自体が破壊されたような形跡はない。なーんだ、その程度のジョークグッズかと思いきや……。

 米GIZMODEによれば、Mr. Self Destructは動画の再生と爆発にユーザーが気を取られている裏で、いわゆる「USB Rubber Ducky」と同様の動きをするというではないか。

 USB Rubber Duckyとは、USBポートに接続すると疑似キーボードとして認識され、PCを乗っ取ってさまざまなコマンドを実行する物理的なハッキング装置の1つだ。マルウェアをインストールしたり、PCのデータを削除したり、転送したりと、やりたい放題だ。

 つまり、Mr. Self Destructは、PCを乗っ取って不正なソフトウェアを仕込み、その証拠を隠滅するために自身を爆発させるという、とんでもなくヤバいデバイスだったのである。

 MGは「電子工作に多少の造詣があれば作成は難しくない」とうそぶいているらしいが、これは犯罪行為に当たる可能性が高い。

 ただのジョークグッズだったら、もう少し気楽に紹介できたが、法に触れるとなれば話は別だ。くれぐれもマネをしないようにしていただきたい。もしも皆さんの周りで所有者不明などの不審なUSBメモリがあったとしたら、それをPCに接続することはやめておいたほうがいいかもしれないな。


上司X

上司X: 「Mr. Self Destruct」という、ちょっと困ったギミックが施されたUSBデバイスの話だよ。


ブラックピット

ブラックピット: いやいや、ちょっとしたじゃないでしょう。爆発するんですよ、爆発!


上司X

上司X: 動画を見る限りでは「ポンッ!」程度の爆発で、深刻な感じはしないんだけどな。


ブラックピット

ブラックピット: その意味不明な安堵感の背後で、PCが乗っ取られているじゃないですか! 相手の思うつぼってヤツですよ。


上司X

上司X: いやあ、俺は見知らぬUSBメモリを差し込むようなマネはしないよ。


ブラックピット

ブラックピット: そういう過度な自信が身を滅ぼすんですよ……。


上司X

上司X: ん? 何か言ったかい?


ブラックピット

ブラックピット: いえいえ、何も。タダのジョークアイテムだったら笑いにできる話題ですのにね。ちっともシャレになっていない。


上司X

上司X: ともかく、マネをして作ってみるようなことには絶対に禁止だな。もちろんキミもマネしちゃダメだぞ。


川柳

ブラックピット(本名非公開)

ブラックピット

年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)

昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。

上司X(本名なぜか非公開)

上司X

年齢:46歳
所属:某企業システム部長(かなりのITベテラン)

中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。


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