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顔認証、顔認識で変わるセキュリティ対策IT導入完全ガイド(5/5 ページ)

» 2018年01月09日 10時00分 公開
[土肥正弘ドキュメント工房]
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物体認識、認証技術にも注目

 画像認識技術は人物を対象にするばかりではない。自動車に搭載されている衝突防止機能には、2台のカメラによる測距などの画像処理、認識技術が使われている他、交通量監視などへの応用や、工場の生産ライン監視や自動制御機器の位置決め、自動搬送車の運行、生産品の検品など多くの応用領域で活用されている。

 また、平面、立体を問わずあらゆる物体を個別に認識、認証できる高度な技術も登場している。NECが開発、提供する画像認識サービス「GAZIRU」はこれを実現するシステムだ。また、大量生産される部品にも個別に生じる微細な差異を、カメラ撮影した画像から検知・識別するシステムとして、独自の「物体指紋認証」技術が活用されている。

 例えばある製造ラインで製造したボルトなどの部品でもその頭などの一部分にある、「人間の目では識別不可能」な微細な差異を検知できる(製造プロセスで生じる差異:梨地加工の文様などはその一例。磨き抜かれた鏡面加工などの場合を除き個別に識別可能)。たとえその部品が後工程で切削や洗浄されたとしても、撮影画像に一致する部分が残っていれば識別可能だ。

物品の個体識別(個体管理)サービスのイメージ 図6 物品の個体識別(個体管理)サービスのイメージ(出典:NEC)

 製造する物品を、流れ作業で1品ずつ撮影する工程が必要だが、撮影用のカメラは一般的なスマホ搭載カメラの解像度程度で十分で、クラウド上に蓄積される識別用のデータとの照合は、ボルトの頭頂部を撮影するだけで瞬時に実行される。これは正規品の鑑定やトレーサビリティー確保や追跡の業務プロセスを大きく改善する。他にもシェアリングビジネスでの物品管理など製造業以外での用途にも活用の道が広がっている。

 なお、この「物体指紋認証」技術は、同社が協業するゼネラル・エレクトリック(GE)のIoTプラットフォーム「Predix」でも使用可能であり、産業領域での活用が見込まれる。

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