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» 2017年12月13日 10時00分 公開

既存会計システムがモバイル活用できない、KDDI社員1万1000人の完全移行プロジェクト事例で学ぶ!業務改善のヒント(4/4 ページ)

[土肥正弘,ドキュメント工房]
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Concurでためたデータを間接費改革プロジェクトに活用

 「実際のコスト削減モードに入るのはこれから。この改革をさらなる間接費改革プロジェクトにつなげていく予定です。例えば利用頻度の多いホテルや駐車場と提携し割引契約を進めるなど、コスト削減につながる手をどんどん打っていきます」と西田氏。さらに「全社の業務プロセス見直しに先鞭をつけ、全社的なERP刷新の先駆けになったことが重要。このプロジェクト成功により、業務部門のクラウドサービス導入障壁を低くした」ことを導入効果の1つに挙げた。

 「経費精算にまつわる情報がビッグデータとして財務・経理部門に集約されることで、現状の可視化、分析が可能になった」ことも今後の改革に結び付くと考えている。例えば出張宿泊費の規定程額オーバーの状況の地域別の実態を可視化することで、出張規定の見直しを人事部に提案するなどの具体的なアクションにつなげられる(図3)。

経費精算データをもとに宿泊費の規定上限超過状況を可視化 図3 経費精算データをもとに宿泊費の規定上限超過状況を可視化
Suicaから交通費履歴を取得 図4 Suicaから交通費履歴を取得

 また、従業員の体験価値(EX)をさらに高めるために、ICカードリーダーを主要拠点に設置し、Suicaのタッチで交通費申請を簡略化する仕組みも採用した。既に決算業務に導入済みのRPA(Robotic Process Automation)を活用して、経費精算のルーティン業務を半自動化することにも取り組んでいる。

 また、Concur Expenseの中小企業向けバージョン(Concur Expense Standard)も利用して、グループ企業への展開も進めているところだ。

 「国際標準の業務プロセスが組み込まれた汎用(はんよう)的なシステムでありながら、複雑な固有ルールを反映でき、スムーズな導入と運用開始ができました。社内規定やセキュリティ面での障壁を乗り越えることができれば、より柔軟で迅速に業務変化に対応できる外部サービスの活用は有意義。このケースを参考に、他部門でもクラウドサービスを活用した業務プロセス改善に向けた動きがみられるので、全社的な影響も与えられたようです」(西田氏)

KDDI 財務・経理部の西田氏(右)と伊藤氏(左) KDDI 財務・経理部の西田氏(右)と伊藤氏(左)
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