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» 2017年12月13日 10時00分 公開

既存会計システムがモバイル活用できない、KDDI社員1万1000人の完全移行プロジェクト事例で学ぶ!業務改善のヒント(3/4 ページ)

[土肥正弘,ドキュメント工房]

移動などの隙間時間で経費登録、業務時間の削減に貢献

 2016年11月の全社展開からほぼ1年、次のような導入効果が見えてきた。

 まず、経費申請作業の煩雑さが軽減した。モバイルからの申請や承認が可能になり、隙間時間を使って経費登録するケースが増えた。社内PCでの業務工数が減り、従来のシステムではメニューが分かれていた出張旅費と立替経費の申請作業も統合された。これにより、これまで月に1万件あった立替精算が8000件に減った。業務時間は1人当たり月間で1〜2時間短縮し、さらに上長もモバイルから決裁できることで、従来、1週間かかっていた承認までの時間が1日未満へと大幅短縮された。

 また、出先でも経費の申請ができ、即座に上長承認も得られる仕組みとなったため、事後の立替精算申請となるケースも減った。

図1 コンカーの申請画面(モバイル版の場合) 図1 コンカーの申請画面(モバイル版の場合)
図2 承認画面(モバイルの場合) 図2 承認画面(モバイルの場合)添付の領収書も確認できる

 財務・経理部門では過大精算、二重精算、勘定科目の間違いなどが簡単にチェック可能になり業務効率が一気に上がった。グループ内の特例子会社にアウトソースしていた監査業務が減り、新事業への人員振り分けが可能にもなった。社内での特殊ケース対応スタッフは1人で間に合うほどに業務削減ができた。

 また、社員の出張旅費や経費、立替経費が1枚のレポートに集約されたため、それに添付される領収書との突合が簡単になった。結果、伝票量は全体で約2割削減できた。

 さらに申請、承認プロセスの後に経理部の監査により発見される勘定科目の計上ミスも、従来ひと月に100件ほど発生していたが、訂正処理が必要なケースが約80%減少した。しかし、こうした効果だけで同社は満足しているわけではない。

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