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» 2017年12月11日 10時00分 公開

LPWA徹底比較 NB-IoT、LTE-M、LoRaWAN、Sigfox……本命は?IT導入完全ガイド(1/3 ページ)

NB-IoT、LTE-M、LTE(Cat.1)、LoRaWAN、Sigfox。IoTニーズを満たす無線として注目を集めるLPWAだが、どの規格を選べばよいのだろうか。表で徹底比較し、ポイントを解説する。

[土肥正弘,ドキュメント工房]

 NB-IoT、LTE-M、LTE(Cat.1)、LoRaWAN、Sigfox。IoTのニーズを満たす無線ネットワークとして注目を集める「LPWA(Low Power, Wide Area)」は今、それぞれの規格が勇んで商用化や普及を目指す、LPWA戦国時代となっている。

 NB-IoT、LTE-M、LTE Cat.1、LoRaWAN、Sigfoxのスペックを10以上の項目で徹底比較した編集部オリジナルの表を作成し、検討すべきポイントをまとめた。LPWAの18の活用シーンごとに、必要な通信スループットなどを記載した表も掲載する。LPWAの各規格と照らし合わせて、十分に吟味してほしい。

IoT向けの通信の本命、LPWAの特徴は?

 LPWAは「Low Power=低消費電力なのにWide Area=広範囲をカバーする」IoTデバイス向けの無線通信技術のことだ。従来のLTE/3Gを利用する無線通信ネットワーク(携帯電話網/セルラー)の音声およびデータ通信に比べると比較的安い通信料金体系、BLEなどの近接エリア通信と違い数キロ半径の通信エリアをカバーできる広域性、電池駆動で数年間利用できる省電力性に加えて、通信モジュールの低コスト化への期待により、2016年から注目を集めている。

 LPWAが話題になる前から、多くの無線通信は存在していた。しかし、それらをIoTに適用するには、通信料や消費電力、カバー領域、モジュール料金などの点でニーズがかみ合わない。温度情報など小さなデータを扱うことが多いIoTにおいては、ごく小さなサイズのデータを遠くまで伝送できることが重要だ。

 また、多数のセンサーデバイスを想定するため、1台のデバイス当たりの通信料やモジュール料金を下げる必要がある。デバイスがすぐ電池切れしては困るため、消費電力が少ないことも必要だ。そうした需要にマッチした無線通信として開発されたのがLPWAである。

5大LPWA規格のスペックを比較

 以下では表を使って、主要な規格を比較する。対象には、NB-IoT、LTE-M、LTE Cat.1、LoRaWAN、Sigfoxの5つを挙げた。

 現在、採用が進むのはアライアンスや企業が独自に策定したLoRaWANとSigfoxの両規格。一方、無線局免許を持ったモバイルキャリアが提供するセルラー系規格では、LTE-M(LTE Cat.M1)とNB-IoT(LTE Cat.NB1)が2017年度内に商用化する予定だ。

 なお、同様の目的に使える規格として策定されたLTE Cat.0は、普及を見ないまま、LTE-MやNB-IoTに継承される形になった。一方、2008年に規格が固まった古株のLTE Cat.1(カテゴリー1)はLPWAとして扱うか事業者によって対応が異なるが、下り方向の通信や、音声通信、高速移動通信を考慮したIoTシステムに有効とみられているので、比較表の項目に挙げた。

 ちなみに、Wi-SUNやWi-Fi HaLowも似た特徴をもっており、LPWAのカテゴリーに含む見方もあるが、これらは伝送可能距離が1キロ程度と比較的短いため、本記事では対象外とした。

表1 徹底比較 LPWA各規格の主なスペック(各種資料から編集部作成、2017年11月※1) 表1 徹底比較 LPWA各規格の主なスペック(各種資料から編集部作成、2017年11月※1)

※1:国際標準仕様策定団体である3GPPが2016年に仕様を完成させたリリース13を基に作成
※2:NB-IoT、LTE-Mの両規格に関し、3GPPが2017年7月に策定したリリース14では、大きな機能拡張が行われた。例えば、NB-IoTについては通信速度が、下り120kbps、上り160kbpsに機能拡張されている
※3:最大通信距離は場合によって可変
※4:PSMモードで10日間などの長期間のパワーセーブも可能
※5:Sigfox社との契約により日本では京セラコミュニケーションシステムが独占的に提供

【参考資料】

その他、ソラコム、KDDI、京セラコミュニケーションシステム公表資料による。

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