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» 2017年11月29日 10時00分 公開

中小ベンチャーの知財価値をどう守る? 手順書の検討過程を公開中 (1/2)

知らない企業から訴えられたり、ライセンス契約を要求されたりといったリスクは大企業だけのものではない。中小ベンチャーが自社技術をちゃんと評価するために特許庁がガイドラインを公開レビュー中だ。

[キーマンズネット]

 公的機関の公開議論プラットフォームにオープンソースソフトウェア開発の方法論が採用されるケースが増えてきた。ソフトウェアを公開する取り組みとしては、オバマ政権下の米国政府で行われたソフトウェアソースコードを公開する「Code.gov」の取り組みがよく知られている。連邦政府が利用した何らかのプログラムのソースコードをWebサイト上で一般に公開、自由に改変して利用できるようにしているものだ。この仕組みは、Gitというソフトウェアを使ったサービス「GitHub」で提供されている。

 Gitはソフトウェアのバージョン管理を効率よく行うためのツール。差分や履歴を効率よく管理し、複数のメンバーが協同編集して1つのプログラムやドキュメントを構築する際に用いられる。このGitの機能に加え、SNS機能を持つWebサービスプラットフォームがGitHubだ。GitHubは、現在オープンソースソフトウェア開発ではデファクトスタンダードに近い存在になっており、Code.govでもGitHubが使われている。

 修正を提案したり、新たなアイデアを提供したりといった活動を誰もが行え、提案内容や修正の履歴、関係者間での調整や議論の過程も公開されるため、透明性が高い。多くの場合、ソフトウェア開発に利用されるが、ドキュメント制作や設計図面の協同編集などでも利用されている。

 日本国内でも、コミュニティーでの公平な合意形成を促す装置として多くの実績を持つこのGitHubを議論の場として、業界の知見をとりまとめたドキュメントを作成しようという試みが行われる。

GitHubを採用する政府機関の例 GitHubを採用する政府機関の例 日本では特許庁だけでなく地方自治体などでも採用実績がある

「知的財産デューデリジェンスの標準手順書」とは

池田尚文氏 池田尚文氏

 2017年11月21日、特許庁、NTTデータ経営研究所、ギットハブ・ジャパンの3者は、知的財産に関する調査(知的財産デューデリジェンス、知財DD)の「標準手順書(SOP)」策定のために、GitHubを採用した「オープン検証事業」を開始すると発表した。事業は、SOP作成のための調査研究事業として、特許庁から事業を受託したNTTデータ経営研究所が実施するもの。

 ギットハブ・ジャパン エバンジェリスト池田尚文氏は、米国政府での採用例を挙げ「誰でもオンラインで意見交換や提案、議論を行える点がGitHubの特徴。Code.govプロジェクトでは、市民参加型プラットフォームとして評価された」と、その公益性を説明、オープンソースソフトウェア開発プロジェクトにおける合意形成プロセスが、公共の議論でも有効であることを示した。

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