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» 2017年11月22日 10時00分 公開

すご腕アナリスト市場予測:チャットボットが企業に与えるインパクト (3/5)

[長谷佳明,野村総合研究所]

チャットボットのコア技術「会話機能」とは?

 チャットボットを取り巻く状況が見えてきたところで、本節ではチャットボットのコアとなる技術である会話機能について説明する。会話機能とは、文字通り人と会話するために必要な機能であり、AIの主要テーマの1つである自然言語処理技術を用いて開発され、「対話システム」とも呼ばれる。

 会話機能には、天気予報の問い合わせなど、ある目的を達成するために会話が進んでいく「タスク指向型」と、例えばMicrosoftの「りんな」のように特定の目的を設けず、雑談のように会話そのものを楽しむことを目的とした「非タスク指向型」に分けられる。現在のところ、ビジネス向けのチャットボットでは、タスク指向型のサービスが多くなっている。

 タスク指向型の会話機能の実装例を図3に示した。入力された文章の「意味理解」を行い、事前に用意した複数のシナリオ(ルール)の中から最も適したものを確率から導き出し、その後の会話を進める。

 例えば、「明日の天気は?」と入力された場合、含まれる単語などから「天気予報を調べる」という目的にもっとも合致していると判断する。同時に、入力された文章から、日時や場所、固有名詞など、目的達成のために必要な情報を取得し、不足する情報があれば、必要に応じて聞き返す。

タスク指向型の会話機能の実装例 図3 タスク指向型の会話機能の実装例(出典:野村総合研究所)

 現在普及している会話機能は、入力文に含まれる用語や表現が事前に定義したシナリオの表現と全く同じでなくても、類義語辞書などにより、ある程度、融通を利かせ会話を進めることができる。しかし、会話の多様性は、人が事前に用意したシナリオに依存するため、定義していない会話を行わせることはできない。現在、会話履歴などをもとにして、人間が1つ1つシナリオを用意しなくても会話できるようにする研究が進められている。しかし、実現にはまだ時間がかかる見込みだ。

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