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» 2017年11月09日 10時00分 公開

短期間でのシステム再構築、IT部門の汗と涙の6カ月間(1/2 ページ)

オフィス業務を支えるシステム基盤が年内で使用できなくなる。頭を抱えるような問題にぶつかった昭和シェル石油は、約6カ月という短期間で社内のシステム基盤を再構築し、“最新ピッカピカ”の状態へと刷新した。

[溝田萌里,キーマンズネット]

 黄色い貝のロゴがなじみ深い昭和シェル石油は、石油事業とエネルギーソリューション事業を営む企業。2016年末、筆頭株主がロイヤル・ダッチ・シェルグループから出光興産に変わったことをきっかけに、旧来のグループ共通のシステムが利用できなくなり、新たにグループのオフィス業務を支えるIT基盤を構築し直すという無理難題を迫られた。

 「短期間で、メール、Web会議、スケジュール管理、ファイル共有、リモートアクセス、VDIなどこれまで使用してきたサービスのレベルを維持できる基盤を構築する必要があった」と話すのは、昭和シェル石油 情報企画室室長の久保知裕氏。インターネットイニシアチブ(以下、IIJ)が10月26日に開催した「Lead Initiative2017」のセッションに登壇し、短期間でどのようにIT基盤を構築し移行まで完了させたのか、プロジェクトの際にどのような課題が持ち上がり、また解決したのかを説明した。

 「社員から不満は上がるが、それも2カ月経てば収まるから謝って辛抱せよ」という久保氏の本音からは、いかにプロジェクトの追い込みが激しかったかがうかがえる。

基盤の構築にはやっぱりクラウド、なぜ?

 オフィス業務を支えるIT基盤構築の際は「クラウドを使って、最新の環境を作る」ことがプロジェクトの大きな指針だったと久保氏は説明する。その背景には2つの大きな課題があった。

 1つ目はスケジュールが短期間だったこと。「一番きついと感じたことはスケジュールに余裕がないことだった」と話すように、構築から移行までの行程を約6カ月以内に終わらせる必要があった。具体的には、3月末の予算決定の後、9月には移行まで終了させるというイメージだ。

 「システム基盤の移行対象となる会社の数は海外も入れて9社。ユーザー数は3500にも及び、やることは山積みだった」(久保氏)

 また、IT部門の人材が不足していたことも問題となっていた。これが2つ目の課題だ。既存のグローバルシステムにおいては、提供元が運用管理を担っていたため、IT部門でその業務を吸収するとなると、移行する前よりも担当者の負荷が大きくなり、継続的にサービスの質を保つことが難しくなる。

 こうしたことを鑑み、自前でサーバを用意するよりも短期間でシステムの構築ができること、IT部門の負荷を減らすためにその後の運用、管理までアウトソースできることを理由にクラウド利用を決定したという。

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