メディア

ひとり情シスを救うための終活? 「もう1人じゃない」を実現する方法(2/2 ページ)

» 2017年10月27日 10時00分 公開
[溝田萌里キーマンズネット]
前のページへ 1|2       

ググっても“カス”を解決するコミュニティー

 2つ目の施策は、「ひとり情シスコミュニティサイト」の開設だ。時間的な制約からイベントやセミナーに参加する機会が少なく、業務に関する相談をする環境がないという一人情シスが、情報交換できる場を作る目的で開設した。Dell EMCの顧客であれば無料で登録可能で、IT運用に関する質問を投稿、回答できる。

図2 ひとり情シスコミュニティサイト 図2 ひとり情シスコミュニティサイト

 「例えば、『バックアップはテープで行っていますか』といった内容を投稿すれば、他企業の情シスから実例などを交えたアドバイスが得られる」と木村氏は説明する。今後は、オンラインのやりとりだけでなく、オフ会やユーザー会を企画する予定だという。

一通り学べます、ひとり情シス大学の開校

木村佳博氏 ひとり情シス大学校長 木村佳博氏

 3つ目の施策は、「ひとり情シス大学」の開校だ。ひとり情シス大学とは、Dell EMCの顧客向けに、特設ポータルサイト内でビデオ講座を提供するサービスである。「変化の速いIT業界の中で情報をキャッチアップし続けることを求められる一方、社内に相談できる先輩がいない」といった悩みを抱えるひとり情シスをターゲットに、必要な知識を体系的に学べる機会を用意するという。

 「突然、ひとり情シスに任命されたような人であっても、社内のIT環境を把握し、運用できるようになることをゴールに想定したカリキュラムだ」と木村氏は説明する。

 ひとり情シス大学では、主にPC、ネットワーク、サーバ、セキュリティ、クラウドといった技術スキルに関する講座、経営層への交渉、ベンダーマネジメントといったコミュニケーションに関する講座、IT資産管理、セキュリティガイドラインなどITガバナンスに関する全150講座を提供する予定で、そのうち初級編が90講座、応用編が12講座を占める。初級編は、2018年4月から半年かけて提供し、応用編は企業内コンサルティングなどから提供するという。講座の修了後には、習熟度を確認する試験も実施され、点数によって単位を授与する制度も設けている。

図3 ひとり情シス大学で提供される各種講座 図3 ひとり情シス大学で提供される各種講座

猫の手も借りたい……そんなとき、業務の可視化を助ける定額メニュー

 4つ目の施策は、情シスの業務を可視化するための「可視・定額型サポートメニュー」だ。情シスの業務を「導入改修」「突発的業務」「日常業務」のカテゴリーに分けて細分化し、定額メニューとして提供する。普段の業務がブラックボックス化しやすくどのような業務を実施すればよいか分からない、業務をSIerなどに依頼する際に妥当な金額が分からない、といった課題にアプローチするものだ。

 「業務を細分化し、それぞれ定額メニューとして提供することで、情シスの業務が可視化される。また、各業務の価格は、今後他のSIerなどに業務を依頼する上で参考にもなるだろう」(木村氏)

図4 情シス業務の可視化・定額型サポートメニュー 図4 情シス業務の可視化・定額型サポートメニュー
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

会員登録(無料)

製品カタログや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます。