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吉野家の肘打ちできないロボット、ニトリの巨大コンテナロボットは物流のメシアか(2/2 ページ)

» 2017年09月22日 10時00分 公開
[溝田萌里キーマンズネット]
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動きを教える必要なし、自分で動くピッキングシステム

 MUJINの開発したピッキングシステム「ピックワーカー」は、ピッキングロボットの動きを制御するシステム、すなわち脳に当たる部分。ロボットに対する動作の学習を必要としないことがポイントだ。

 従来のピッキングシステムでは、物の形状や大きさ、ピッキングに必要な動作のパターンを学習させなければならない。一方、ピックワーカーは、対象物を認識し、自律的に動作することが可能。ロボットに取り付けられたカメラで荷物の大きさや収納箱の空間を認識し、これをコントローラー内で分析することで、自律的にピッキング動作を調節する。

 「通常のピッキングシステムでは、たった1種類の対象物をピックアップできるようになるまでに、約1年間の学習期間が必要だが、ピックワーカーでは実際に稼働するまでの期間は2週間ほど」と同社は説明する。現在では、キヤノンやヤマト、アスクルなどの物流現場での導入実績がある。

図5 荷物の形や大きさ、荷物が入った収納箱の空間を認識 図5 荷物の形や大きさ、荷物が入った収納箱の空間を認識

Amazonの倉庫ロボットと同等の機能を持った製品が買える

 物流ICTの中では、倉庫内を走行する物流ロボットがアイドル的な存在。MFLP ICT LABOでは、Geek+の「EVE」、日本電産シンボの「S-cart」と「THOUZER」、SMFレンタルの「ZMP CARRIRO」の4種類を展示する。

図6 日本電産シンボのS-cart 図6 日本電産シンボのS-cart
図7 左から日本電産シンボのTHOUZER、SMFレンタルのZMP CARRIRO 図7 左から日本電産シンボのTHOUZER、SMFレンタルのZMP CARRIRO

 Geek+社のEVEは、可動式棚=MSUの下に潜り込んで棚を作業者のステーションまで運搬したり、効率的に作業できる位置に棚をレイアウトを変更したりする物流ロボット。Amazonが開発するkivaシステムやGROUND社の「BUTLER」と同等の機能を持ち合わせる。

 作業効率は人力で行う従来の方法と比べて3倍〜5倍だという。現在では、中国ECサイト事業を手掛けるアリババ社での導入実績がある。

まるでアイアンマンスーツ? 着るだけで力持ち

 ATOUN社が開発した「パワーアシストスーツAWN-03」は、人間の荷上げや荷下ろし作業をアシストする装着型のロボット。作業者の腰の負担などを軽減する効果がある。

 通常、人間が重い荷物を上に持ち上げる際には、腰と両足に力を込める。この力の入る瞬間に合わせて両腰部に位置するモーターが動き、体を引き上げる力が働く仕組みだ。「女性や年配者など、力仕事に負担を感じる人の作業負担を軽くすることが可能。人手不足の解消にもつながる」と同社は説明する。筆者が実際に体験したところ、装着なしでは持ち上げられない20キロの荷物を運ぶことができた。

図8 パワーアシストスーツAWN-03 図8 パワーアシストスーツAWN-03

 同ショールームでは、その他にも仕分けや梱包(こんぽう)に特化したソリューションや、車両認証カメラといった車両管理に関するソリューションなどを常時展示する。

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