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» 2017年09月14日 10時00分 公開

業務削減率はマックス94%、日本生命保険のRPA「ロボ美ちゃん」の1年 (3/3)

[溝田萌里,キーマンズネット]
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ここだけは押さえて、RPA導入の提言

宮本氏は、導入の際にとりわけ注視して検討しなければならないポイントを話した。

図6 RPA導入時の検討ポイント 図6 RPA導入時の検討ポイント

うちのシステムと相性良い?

 スモールスタートからはじめて検証を行い、徐々に範囲を広げた同社では、RPAのトライアル導入の際、大きく分けて5つのステップを踏んでいる。ステップ1は、RPAソリューション「Biz Robo!」の概要理解、ステップ2は各課での業務選定、ステップ3が1部門での実現性の評価、ステップ4が各課1台のロボット作成、ステップ5が各課での効果検証だ。

 宮本氏は、とりわけステップ3で、システムとの親和性を確認する重要性を訴える。「作成したロボットがシステムを問題なく操作できるかということは、本格導入の前にしっかり確認したいところ。例えば、システムにログインできるのか、システムからシステムへと画面遷移できるのか、画面遷移には時間がかからないか、画面の印刷ボタンを押せるのかといった細かい点まで検証しなければならない」という。

ライセンスコスト、開発コスト

 1ライセンス当たりに年間費用や初期導入コストがかかるため、費用対効果の出る業務の選定が必要だと宮本氏は強調する。

BPMNで業務を見える化

 宮本氏によれば、「ロボットの作成は、通常のシステム開発とフローが若干異なる。開発における各フェーズのうち、同氏は特に設計におけるポイントを共有した。

 1つ注意したいのは、ここでいうロボットの設計がプログラミングを指すわけではないということだ。RPAは、業務に必要な手順を指定したシナリオを、その通りに実行するソフトウェア。ロボットが作動するためのシナリオ作成がすなわちロボットの設計ということになる。

 当然、前段階として自動化したい業務の流れを明確にしておく必要があるが、その際に「BPMN」という手法を採用することを宮本氏はポイントだとした。BPMN(Business Process Modeling Notation)とは、業務のプロセスを図形によって記す標準記法だ。業務の行程を四角や丸でグラフィカルに記すことで、誰でも直感的に理解できることが特徴である。

 「BPMNで作成したプロセスマップでは、最終的に『何のボタンを押す』『何画面で何を入力する』といった細かい動作のレベルまで詳述する。このマップを使って、1つの業務の内、どの作業をロボットで自動化するのか決定していく」(宮本氏)

図7 業務を動作ベースにまで詳述した結果 図7 業務を動作ベースにまで詳述した結果

紙事務が多い、どうやってデータ化する?

 業務を自動化する際には、人間とRPAの連携が肝になってくる。宮本氏は「人間からRPAへと作業を橋渡しする際、データをRPAが受け取れる形態へと変換させなければならない。紙事務が多い場合には、効率的に情報をデータ化することが大切だ」と話す。

 例えば同社では、紙にバーコードを印刷することで、数列などの情報をデジタルデータへと変換している。

野良ロボが出ないために運用管理は徹底

 また、作成したロボットの運用管理も重要だ。例えば、野良ロボなどが出回らないように、作成したロボットの管理は必須。怠れば、ユーザー部門が管理の範囲外で作った「野良ロボ」が増え、制御ができないという問題も起こり得るというから恐ろしい。野良ロボの問題だけでなく、基幹システムのリニューアルといった企業の変動に耐えうるため、RPAの行う作業範囲を明確にしておくことが必要だ。

 保守における問題に対応するために、RPAが何台稼働し、どんな作業を行っているのか、常に管理、可視化しておくことが必要だと宮本氏は話す。

 今後は、導入済みの部門を含め、自動化できる業務を増やしていく予定だという同社。「AIなども活用しつつ、さらに業務の自動化、効率化を目指していく」と宮本氏は締め括った。

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