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なぜ今までのツールは運用管理の課題を解消できなかったかイベントレポートアーカイブ(2/2 ページ)

» 2017年08月14日 10時00分 公開
[キーマンズネット]
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製品の組み合わせで情報の流れを最適化する

 この「流れ」を構成するツールのうち、(1)IBM Cloud Application Performance Managementは8月1日に提供を開始したもので、アプリケーションパフォーマンス管理ツールに位置付けられる。従来も類似製品は存在したが、「ステートレスな管理ができるようになった」点が特徴だという。ステートレスな管理の利点は、システムが状態データを保持しないため、スケールさせやすく、モダンなWebアプリケーションとも親和性が高いことにある。最近のRESTfulなAPIを持つツール類の多くはステートレスだ。

 「古くからあるAPMツールは現代的ではないアーキテクチャで実装されていて扱いにくいことが多く、一方で、新興のAPMベンダーは、アプリケーションパフォーマンスのボトルネック分析を得意とする製品が多い。しかし、そこだけが強くても不十分。エンドツーエンドのカバレッジができる点がわれわれの強みだ」(澤氏)

 これより前、2017年5月に提供を開始したのが(2)IBM Operations Analytics Predictive Insightsだ。この製品は、時系列データ解析や単変量解析、多変量解析、離散値解析などのモデルをプリセットした、ログなどのデータ分析ツールだ。時系列データの自動学習機能があるため、接続すると「平常時」の挙動を学習するので自動的に異常値を検出できるようになる。

 同6月に提供を開始したのが、イベントパターンを使った自動制御機能を提供する(3)Netcool Operations Insightだ。単体でイベントパターンを基に運用自動化を実現するだけでなく、長期的なイベントログをビッグデータ処理基盤である「Big Insight」などに格納し、分析時に連携すれば、定期的な停電やメンテナンスで出現するアラートなどの、季節性のあるデータも自動でグルーピングできるようになる。こうした仕組みを使うことで、発生するイベントの中から効率よくノイズを低減でき、管理の効率を高められる。この他、仮想ネットワークの構成などを動的に収集する機能も持つという。

クラウドネイティブな環境も一元管理に向けて強化

 既存環境の運用自動化や高度化については理解できたが、クラウドネイティブな環境についてはどうか。

 例えば、Netcool Operations Insightの拡張機能コンポーネント「Agile Service Manager」では、クラウド環境で用いられるNFVやSDN、アプリケーションコンテナの状況などの、動的に変化する情報も、同じツールで統合管理できるという。この他、DevOpsを実現するために、イベントを自動分析、自動的な絞り込みや優先順位付けを行ったり、自動処理をしたり、あるいはチャットツールを介してチームに情報を伝達する機能を持つ「IBM Cloud Event Management」の“開発意向”も表明している状況だ。こちらも、「情報の流れ」を軸に統合環境として提供される。  

 そして、オンプレミス、クラウドのいずれの情報もITサービスデスクシステムである「IBM Control Desk」で、対象環境を意識せずに透過的に一元管理できるようになるというのが、生まれ変わったTivoli改めIBM ITサービスマネジメントツールの全体像になるのだという。

クラウドネイティブな環境のイベントも全て網羅するITサービスデスクシステム「IBM Control Desk」 クラウドネイティブな環境のイベントも全て網羅するITサービスデスクシステム「IBM Control Desk」
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