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バリ取りメーカーによる業務改善プロジェクト、脱Salesforceで「管理部門」が作り上げた顧客案件管理システムとは(1/2 ページ)

金型をはじめ自動車などの製造現場で使われる研磨用の砥石やバリ取り用の工具を製造販売するジーベックテクノロジー。同社の情シスでない管理部門の一担当者が、顧客案件管理システムを構築した。その軌跡を追う。

» 2017年06月22日 10時00分 公開
[キーマンズネット]

 金型をはじめ自動車や航空機、携帯電話などの製造現場で使われる研磨用の砥石やバリ取り用の工具を製造販売するジーベックテクノロジー。そんな同社の管理部門が、自社の顧客案件管理システムを構築した――。情シスでもエンジニアでもない管理部門の一担当者は、どのようないきさつを経て、自社システムをつくったのか。

 本稿では2017年5月19日、六本木で開催された「kintone hive東京2017」で同社管理部、本堂 円氏の講演を紹介しよう。

バリ取り営業に必要な顧客案件管理システムの刷新を計画

 ジーベックテクノロジーは1996年に設立、研磨用の砥石やバリ取り用の工具を製造販売する。金属を削った後に行うバリ取りは製品の品質を左右する重要な工程だが、このバリ取り作業を工作機械やロボットを使って自動化するソリューションを提供している。

 同社でサイボウズの「kintone」を導入するきっかけとなったのが、顧客の部品情報や加工条件などを記録する顧客案件管理システムだった。「システム導入当初は自前で開発したWebベースのシステムを活用していましたが、10年経過する中で利用者が増え、必要な情報にたどり着くまでに30分余りを要するなど検索性に乏しいものになっていました。必要な情報は結局営業担当者の記憶に頼ってしまう状況が続いていたのです」と本堂氏は当時を振り返る。

本堂 円氏 本堂 円氏

 この状況を打開するためにSalesforceを導入した本堂氏だが、ドラッグ&ドロップで自由にアプリが作成できる利点はあるものの入力導線や画面構成に制限があり、改修するためには専門家に頼らざるを得ない状況に。「改修は費用面で妥協せざるを得ず、案の定、利用者から不満の声が上がってくるようになったのです」(本堂氏)

 Salesforceを2年ほど利用したものの、入力や検索の課題などが露見し、新たなツールを模索し始めた。そこで、画面設計の融通が利きやすく、エンジニアでも情報システム部門でもない管理部がメンテナンスできるツールを探した結果、kintoneにたどり着いたという。

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