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» 2017年06月20日 10時00分 公開

内閣府とJAXAがプロジェクトX始動、宇宙時代に企業は何ができるか(1/2 ページ)

データが財産となった現代においては、宇宙に関係のない企業が、宇宙からのデータを解析し、新しい視点から付加価値を付けるというビジネスモデルを展開しつつある。本稿では、その事例を紹介する。

[溝田萌里,キーマンズネット]

 宇宙から疎遠だった民間企業も宇宙を使ったビジネスができるかもしれない──。宇宙産業といえば、ロケットや人工衛星の打ち上げなどを思い浮かべる方も多いだろう。しかしさまざまなデータを活用したビジネスが盛んになってきた昨今、宇宙からのデータを解析し、新しい付加価値を付けて顧客にモノやサービスを提供するというビジネスモデルが生まれつつある。

 日本企業では、ランニングシューズで有名なアシックスが、衛星を使った測位法をスポーツ分野に応用し、新しいビジネスモデルを構築しようと試みている。

 米国やロシアといった宇宙大国に比べ宇宙ビジネスの法整備がなかなか進まなかった日本であるが、最近では国を挙げて宇宙政策を打ち出し、環境や法の整備を推進している。例えば、2016年11月には、非政府団体が宇宙ビジネスを行う際の規制を定めた宇宙2法(「人工衛星などの打上げおよび人工衛星の管理に関する法律」「衛星リモートセンシング記録の適正な取扱いの確保に関する法律」)が制定された。

 2017年6月1日には、内閣府が管轄下に置く準天頂衛星システムの衛星「みちびき2号機」の打ち上げが行われた。予定が順調に進めば、2018年には、全4機のみちびきの運用体制が整い、民間でも国産のGPSシステムが利用できるようになる。

 今後、あらゆる企業に宇宙をビジネスに活用するチャンスが巡ってくるのだろうか。「Interop Tokyo2017」では、今後の宇宙ビジネスの展望について、スカパーJSAT 新規事業推進部 橋本英樹氏と内閣府 宇宙開発戦略推進事務局の畑田康二郎氏、宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)の有川善久氏が語った。本稿では、データやアイデアを生かした宇宙ビジネスの事例や、内閣府が主導で行う宇宙アイデアコンテストを紹介する。

宇宙ビジネスはブルーオーシャン

 日本の宇宙産業は、国の宇宙開発事業を受注できるような技術開発力や資金力を持つ企業が中核を担ってきたが、今この潮流を国家レベルで変えていこうという動きがある。「これまで宇宙ビジネスに関係がなかった分野のプレイヤーを引き込むことが大きな争点になっている」(畑田氏)。

 日本は欧米に比べて、宇宙産業の領域が狭いことが課題であった。昨今では、日本でも「宇宙ベンチャー」と呼ばれる企業が現れてはいるが、数千社の宇宙ベンチャーが存在感を増す米国に比べれば規模は圧倒的に小さいと橋本氏は話す。

 そこで、内閣府は民間宇宙ビジネスの創出と拡大というビジョンに立ち、5月29日に「宇宙産業ビジョン2030」を打ち出して、産業にフォーカスした宇宙政策を推進する。同施策では、宇宙ビジネス市場を現在の1.2兆円から2030年代早期に2.4兆円規模に拡大することを目標の1つの掲げている(図1)。

図1 宇宙産業ビジョン2030 図1 宇宙産業ビジョン2030

 「さまざまな人に宇宙を使ったビジネスの可能性が生まれるようになる」と畑田氏は語った。

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