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セルフサービスBI導入前の注意点そこが知りたい!セルフサービスBI

セルフサービスBIは汎用(はんよう)性も高く機能も豊富だが、せっかく導入してもうまく活用できなければ意味がない。小さく始めて大いに活用するポイントを紹介する。

» 2017年05月30日 10時00分 公開
[キーマンズネット]

 業務に活用しきれず、社内に眠らせたままだったデータを、素早く視覚化し、経営戦略に生かすことができるセルフサービスBI。興味を持つ経営者や経営管理部門の方も多いでしょう。クラウド型などローコストで初期投資なく利用を開始できる製品もありますから、具体的に導入を検討している会社も多いのではないでしょうか。

 しかし、汎用(はんよう)性は高く、機能も豊富なセルフサービスBIですが、導入にあたっては注意すべきポイントがいくつかあります。今回はセルフサービスBI導入前に気を付けるポイントを解説します。

導入はスモールスタート、いきなり全社導入は避ける

 新しいITシステムやツール全般にいえることですが、便利で有用なツールだからといって、いきなり全社や組織内全員に導入してはおすすめできません。汎用のオフィスアプリケーションとは異なるため、全ての社員が最初から使いこなせるとは限りません。そもそもセルフサービスBIが全社員に必要とも限りません。まずはスモールスタートで先進的な取り組みに意欲のある部門や経営部門などから導入を始め、ある程度使い方に慣れたところで、先行導入した社員を先生役として活用し、徐々に導入を進めていくことが導入成功の秘訣(ひけつ)です。

 スモールスタートに最適なのがトライアル版や無料版の活用です。モデルユーザーとして、データ分析を必要とする部署で試す、ITリテラシーの高い現場の社員に利用してもらい、実際に使いこなせるかどうかを検証します。

 多くのトライアル版は期間限定(1カ月程度)で使えるため、日々の業務に導入して、どのような効果があるかを検証することができるでしょう。無料版には機能制限があるものがほとんどで、解析できるデータ量や、取り込めるデータの種類、共有機能に対する制約はありますが、テスト導入にはほぼ問題ないといえるでしょう。

データを準備しておく

 何はなくとも、分析するデータをそろえておくことこそ重要です。中小企業、とくに小規模事業者によく見られるのは、IT化以前のデータです。多くは紙ベースで保存され、デジタル化されていないという企業も多いでしょう。必要なデータは入力しておくなど、何らかの形でデジタル化し、セルフサービスBIで活用できるようにしておくことが大切です。

「結果出力」ではなく「思考のため」のツール

 最も大切なのは、セルフサービスBIをどう活用するか、というイメージです。セルフサービスBIツールはExcelのような「結果」を出力するためのツールではありません。柔軟性の高いデータ処理能力でさまざまなデータを取り込みながらデータを「見える化」し、ユーザーの分析を支援するためのツールである、ということを明確に意識することが重要です。

 会議の場に出す資料を作るためのツールではなく、会議の場で議論をしながらその時々に必要なデータを柔軟に視覚化し、分析に役立てていくこと。これまでとは異なるデータ活用スタイルを取り入れ、ビジネスの意思決定に生かすという意識を持つことが重要です。

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