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ISDNのサービス終了に向けて、移行先にMVNOは使えるか?IT導入完全ガイド(1/2 ページ)

2020年後半をめどにISDNがサービス終息を迎えようとしている。いまだ企業用途の多いISDNの移行先としてMVNOが注目されている。移行ソリューションとはどのようなものか。

» 2017年04月24日 10時00分 公開
[宮田健キーマンズネット]

 既に話題にもなっているが、2020年後半をめどにINSネットの「ディジタル通信モード」がサービス終了することが発表されている。まだ3年、されど3年。移行先の検討はそろそろ始めた方が良い。さまざまなベンダーが移行のサービスを提供し始めているが、これまでのシステム環境を生かしたまま、MVNOへマイグレーションするソリューションも提供され始めている。ISDN終息にまつわる最新動向を紹介する。

2020年に終了? ISDN15万回線の移行先を検討する必要あり

 NTT東日本/西日本は将来的にPSTN網(公衆交換電話網)を廃止し、逐次IP網に移行することを発表している。固定電話、主に「通話」に影響のある発表と考えがちであるが、この中に「ISDN」が含まれていることに注意したい。1990年代、ISDNは安価なインターネット常時接続の手段として大きく注目されたが、個人向けとしてはADSL、そして光ケーブルに移行し、徐々に収束している。

 しかし、「法人市場」におけるISDN利用はいまだ根強く残り続けているというのが現状だ。メインの通信回線は既に光に移行しているからと安心していたものの、実は気付かぬところでISDNが利用されており、その対策に未着手のままなんて企業も多いようだ。

 総務省の公表したデータによると、2016年9月時点で323.6万の契約数、NTT東西のINSネット契約数でも245.5万件に上る状況にあるという。その中には音声通話だけで利用している加入者もいるため、全ての加入者がINSネットディジタル通信モード終了の影響を受けるわけではないが、これだけの加入者が移行先の検討をはじめることになる。

 NTTは2020年ころにISDNのディジタル通信モードの終了を目指し移行プランを検討/検証を続けているが、この予定は後ろ倒しになる可能性も見せている。その背景には、ISDNの移行プランの決め手がなく、NTT、そして利用者が必死にソリューションを探しているという現状がある。

図1 「INSネット ディジタル通信モードの円滑な移行に向けた取組みについて」 図1 「INSネット ディジタル通信モードの円滑な移行に向けた取組みについて」(出典:NTT)
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