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» 2017年03月16日 10時00分 公開

レノボがテレワークで変える「介護離職」と「単身赴任」問題 (1/2)

3月9日、レノボ・ジャパンが「テレワークデー」を開催。レノボがテレワークをここまで注力する理由は「介護離職」と「単身赴任」の問題を解消するためだ。平均年齢46.6歳(男性)の企業が取り組むべき施策とは。

[宮田健,キーマンズネット]

 レノボ・ジャパン、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ、NECパーソナルコンピュータ、モトローラ・モビリティ・ジャパンの「レノボ関連4社」が2017年3月9日、第2回「テレワーク・デー」を開催した。

 レノボのテレワーク・デーとは、秋葉原のオフィスに勤務する正社員および派遣社員を対象とし、サポート業務などどうしても出社が必要な人以外は「原則全員がテレワーク」とする日だ。実際にオフィスを眺めてみると、広いフロアにはほとんど誰もいないという、一種異様な光景が広がる。しかしそこには、レノボが考える「攻めのテレワーク」の考え方があった。

テレワーク・デー当日のレノボオフィス テレワーク・デー当日のレノボオフィス。見渡す限り誰もいない
リフレッシュスペースにも誰もいない リフレッシュスペースにも誰もいない

テレワーク「理想論」と「現実」、継続率改善に必要なこと

 テレワークはワークライフバランスの改善やインフルエンザなどの対策、そして自然災害対策として多くの企業が注目する仕組みだ。レノボでは2005年の創立時からテレワークが利用可能だったが、2011年3月の東日本大震災の経験からさらに踏み込んだ「回数無制限のテレワーク」制度を導入する。さらに2016年からは全社でそのテレワークを実施するというテレワーク・デーを年に1度行っている。

テレワーク・デー 全社で一斉にテレワークを行う「テレワーク・デー」。第2回の2017年3月9日は対象者約800人のうち、97%がテレワークを実施した
村上武士氏 レノボ 働き方改革推進プロジェクト リーダー 村上武士氏

 総務省による「テレワーク先駆者百選」に認定されているほどの施策を行っているものの、そこにたどりつくまでには多くの苦労があったという。レノボ働き方改革推進プロジェクトリーダーの村上武士氏によると、2015年11月に行ったテレワークのパイロットプログラムにおいては「ワークライフバランスが改善した」「生産性が向上した」という回答が大変多く、その取得率も90%を超えたこともあり、2016年4月より「回数無制限テレワーク」を正式に導入するに至った。これで大きく働き方が変わるはずと考えていたという。

 ところがその4カ月後にテレワーク実施率を調査したところ、実施率はわずか30%にまで落ちてしまった。

 その理由はさまざまだが、「上司がテレワークに否定的」「上司がオフィスでの仕事を評価するため、出社せざるを得ない」「メンバーがテレワークを行わないので取りづらい」などの文化が浸透していないことによる意見や、「チャットツールがオンラインになっていない」などのルール徹底不備が目立ったという。

テレワーク実施率 テレワークを推進すべきという回答が80%あったにもかかわらず、テレワーク実施率が30%しかなかった

 その結果を基に、村上氏は2016年秋に「テレワーク再起動」と銘打ったイベントを開催する。1カ月半で3回取得する、SNSを使って社外にもアピールする、テレワークで外出して社外とコネクションを構築するなどの企画を実施した。その結果、テレワーク実施率は64%まで改善した。

 村上氏は、テレワーク定着には「対話とリマインドを継続して行う必要がある」と述べる。村上氏自身も福岡のコワーキングスペースで仕事をし、そこで教育、テレワーク、共創に関するコネクションを作ったという。「攻めのテレワークとして、社外の人たちともビジネスの話ができるようになった」(村上氏)

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