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» 2017年03月15日 10時00分 公開

ソニーのDNA入り、最新クラウド映像プラットフォーム「Safie」登場(2/3 ページ)

[土肥正弘,ドキュメント工房]

アクシスは登録パートナーにACAP対応APIを無償公開、デベロッパーの参加を歓迎

佐藤秀一氏 アクシスコミュニケーションズ マーケティング本部マネージャー 佐藤秀一氏

 「当社は21年前に世界で初めてネットワークカメラを販売して以来、世界50カ国に事業所を展開、小規模から超大規模企業まで幅広い分野にセキュリティソリューションを提供している」とアクシスコミュニケーションズ マーケティング本部 マネージャーの佐藤氏は胸を張る。

 「グローバルでネットワークカメラとビデオエンコーダーで市場をリードしてきた。高画素化、高解像度化、データ量の適正化などの技術開発を積極的に行う一方、カメラに動体検知、映像認識などのインテリジェント機能を持たせ、1つの独立したデバイスとして他の機器と連動させるのがもう1つのビジネスの根幹となっている。これは2009年から継続しているコンセプト。現在、世界のパートナーは9万を数えるが、さらにパートナーとの協力関係を広げ、深めていきたい」(佐藤氏)

 アクシスのADP(アプリケーション開発パートナー)プログラムに登録すると、専用APIが無償で提供され、オープンプラットフォームであるACAP上でカメラのコア機能を活用しつつ、それを超えた付加価値を生むアプリケーションが自由に開発できる。アプリケーションは簡単にカメラに導入でき、例えば来店者数計測と販売データからの購買率算出、店内の混雑状況のヒートマップ表示、動体追跡などもアプリケーション次第で実現可能だ。従来はサーバ側に映像を送り込んでから処理していたことが、ACAP対応カメラ(アクシス製品)ならカメラ内部で行える。Safieはこれを効果的に活用したプラットフォームとなっている。

クラウドの特徴を生かし、小売、サービス業での防犯とマーケティングに貢献

佐渡島 隆平氏 セーフィー 代表取締役社長 佐渡島 隆平氏

 「従来の防犯カメラシステムには、価格の問題、セキュリティの問題、運用負荷の問題があった。これらの問題を、当社のクラウドサービス、アクシスのカメラとそれに導入するアプリケーション、そして映像やデータの表示・閲覧に利用する簡便なUIを備えたモバイルデバイス対応のアプリケーションで解決していく」とセーフィーの代表取締役社長、佐渡島隆平氏は語った。

 特に小売業界で喜ばれているのは、使いたいところに無線LAN対応のカメラをポンと設置し、ネットワークにつなげばすぐに映像監視や情報取得が可能になるところだという。しかもセキュリティ面で複雑な仕組みを必要とせず、アクセス制御はアルバイト、本部、エリアマネジャーなどに限定するなどの権限設定が簡単にできる。

 コスト面での競争力も強みだ。同社が「Safie PROプラン」として提供している映像録画サービスは、カメラ1台あたり月額1200円(7日分の録画プランの場合、税別。回線費用含まず)、最長の360日録画プランでも月額7000円(税別)だ。

 ビデオレコーダーを利用したオンプレミスシステムとの比較ではもちろん、他のクラウド監視カメラサービスとの比較でも競争力は十分だろう。このコスト優位性を利用して、ある通信サービス事業者は30fpsのVGAまたはHD画質の監視カメラ映像配信と7日分の映像保管の法人向けサービスを、LTE通信料込みで月額3200円から提供している。

 しかし、Safieの本領が発揮されるのはむしろ、カメラからの情報をビジネスのイノベーションにつなげられるところだ。佐渡島氏は「導入企業が続々と増えている」と、いくつかのユースケースを紹介した。

【小売店事例】

 人数カウント機能を利用し、1日の売上と来店者の情報を突き合わせて時間帯別の販売予測に役立てている(来店者数と購買者数から購買率を視覚化するケースは、発表会会場にしつらえた衣料品販売店の模擬カウンタで実演された)。また店舗内の顧客の一挙手一投足を監視・確認することにより、POSデータだけでは分からない商品の選び方、手に取るしぐさも分析できる。商品配置や棚の高さなどの最適化に役立てている。

【セミナー業者事例】

子どもを対象とするイベントなどで、人感センサー付きのカメラで会場を撮影、入室者などの存在を感知すると担当者に通知するなどの安全・省力化を図っている。

【建築会社事例】

タイムラプス機能を利用して、長期間の工事現場の進捗状況を短時間で確認している。

【物流センター事例】

複数の物流拠点に100台以上のカメラを設置、管理本部で全カメラの映像を全社員が大画面で確認可能にし、現場に移動することなく課題発見・解決を図っている。

 また無線LANへの対応により「頻繁な店舗レイアウト変更に容易に対応可能」にした事例、クラウドの利用により「火災被害を受けてカメラが焼失しても直前までの映像はクラウド側で保管済み」だった事例にも触れ、柔軟性と災害対応能力についても紹介した。

 「アクシス製品への対応により対応カメラは200種以上に飛躍的に増えた。カメラ数台での運用を行うユーザーが多いが、大規模ユーザーも増えており、最大で350台のカメラを運用して統合管理を行う事例もある」と佐渡島氏。「いずれはドライブレコーダー、ドアホン映像からもデータを取得することが考えられる。タクシーのカメラからストリートビューのように映像が再現でき、現実世界がそのまま検索可能になるかもしれない。当社はあらゆるカメラがクラウドにつながり、映像が防犯目的を超えて多様に活用される広がりを追求していく」と未来を語った。

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