こうした従来の開発とは異なる条件にうまく対応するために、今後欠かせないのが「MADPツール」だ。このツールを使ってどう課題解決ができるのか、そのポイントについて事例を交えて紹介しよう。
MADPツール自身に豊富なUIパーツを用意するか、独立したUIフレームワークと連携するか、どちらかまたは両方のアプローチが取られている。IDE(Integrated Development Environment/統合開発環境)から呼び出して組み込み、その場でシミュレーターや実機上で確認することもできるため、UI開発を省力化できる(図1)。
事例:O2O型サンプリングサービス
レシート画像を送るだけで、実店舗で使えるポイントがたまるサービスを、iOSとAndroidデバイスでスタート。既存Webサイトのリソース有効活用のため、HTML5ハイブリッド型での開発にMADPツールのmonacaとUIフレームワークのOnsenUIを利用したところ、スムーズなアニメーションなどネイティブUIと遜色ないUI実現に成功、技術者一名で実工数2週間でのリリースに成功した。
カメラ、音声、位置情報などのデバイス固有機能を利用し、営業業務、店頭業務などの効率化や顧客満足度向上、データ分析による顧客管理などに活用できる。これにより、バーコードなどの読み取りによる顧客管理や物品管理、ビーコン機能による顧客対応改善・クーポン発券など、さまざまな新サービスが考えられる。
事例:化粧品会社・百貨店店舗向け顧客管理アプリ
顧客情報管理をアプリ化、バーコード読み取り機能を搭載してログインを簡略化するとともに顧客情報を即座に表示し、店頭での接客に活用。接客メモ機能により、従業員間のコミュニケーションロスの低減にもつながり、紙による顧客管理の制約から脱出した。ソフトバンクが提供するネットワークとホワイトクラウド Kony Mobility Platformを活用してシステム化したケースだ。
例:三菱地所レジデンス・顧客情報管理
多様化する住まいのニーズを、タブレットを利用したアンケートでスピーディーに把握、すぐにデータ分析して、即座に顧客情報として利用可能なシステムを開発。IBM MobileFirst Platformとデータ分析ツールにより、顧客情報を取得してから販売営業に活用できるようにするまでの時間を短縮し、さらに同データを開発やマーケティングにも活用可能にした。
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