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» 2016年03月14日 10時00分 公開

基礎から分かるマーケティングオートメーション入門IT導入完全ガイド(1/4 ページ)

今、急速に注目を集めているMAとは何か。主にマーケティング部門で使われるITツールだが、今後、業務部門からの導入意向が高まる可能性もある。その背景や目的、基本的な機能などについて分かりやすく解説する。

[吉村哲樹,オフィスティーワイ]

 「マーケティングオートメーション(MA)」と呼ばれるITソリューションをご存じだろうか? 特に情報システム部門にとっては聞き慣れない言葉かもしれない。しかし、ここ1年ほどの間に外資系MAベンダーが次々と国内市場に新規参入したこともあって、今、急速に注目を集めている。

 主にマーケティング部門で使われるITツールではあるが、今後、業務部門からの導入意向が高まる可能性もある。本稿ではMAが登場した背景やその目的、基本的な機能などについて基礎から分かりやすく解説する。

B2Bビジネスにおける購買プロセスのデジタル化

 MAとはその名の通り、企業のマーケティング活動をオートメーション(自動化)するためのものだ。SFAやCRMが企業の営業活動を支援するITソリューションであることと同様に、MAは企業のマーケティング活動を支援するためのソリューションだ。その具体的な内容は後段で紹介するが、まずはMAが必要とされるようになった背景について簡単に説明しよう。

 私たちが何か商品を購入するシーンを思い出してほしい。まずは、その商品の情報をインターネットで調べ、気になった製品の評判を口コミサイトやSNSなどでチェックし、比較サイトなどを使って競合製品と見比べる。実際に店舗に出向く前には「どの商品を購入するか」がほぼ決まっていることが多いのではないだろうか(もしくはそのままオンラインで購入するだろう)。

 これは「購買プロセスのデジタル化」と呼ばれる事象だ。これと同じことが実は企業間取引の世界でも起きている。これまでB2Bの製品やサービスの購買プロセスは、訪問による対面営業が主流だった。しかし近年、企業の購買担当者は、あらかじめネット上で製品やサービスの各種リサーチや比較検討を終えている。Googleが実施した調査によれば「買い手の60%は営業に会う前に何を買うか決めている」という。

 つまり今日のB2Bビジネスの成否は、顧客のデジタル世界における情報収集や比較検討のプロセスにおいて、いかに自社製品をうまくアピールし、購買意欲を高められるかにかかっている。いわゆる「デジタルマーケティング」といわれるマーケティング施策で、MAはまさにこうした活動を支援するために使われる。

企業のマーケティング施策の効果を可視化

 MAの重要性が語られる理由は、何も購買プロセスの変化だけではない。そもそもマーケティング活動に対する企業の投資判断が、かつてと比べよりシビアになっているのだ。

 一昔前、企業のマーケティング活動は不特定多数の見込み客に対して情報を発信するマス広告が中心だった。マス広告には確かに一定のプロモーション効果があるが、本当に狙い通りの見込み客に対して正しくメッセージが伝わったかどうか、その効果を厳密に評価するのは難しい。

 一方、キャンペーンやイベントなどの施策で見込み客に対面で直接アプローチし、そのままマーケティングや営業のプロセスにつなげることができれば、「その施策が後の購買につながったどうか」である程度費用対効果を算出することはできる。しかしこうした施策の効果測定は、「キャンペーンごと」「イベントごと」といったように単発で終わりがちだ。

 そこでMAの出番となる。MAはリアル世界のキャンペーンやイベントはもちろん、デジタル世界でのさまざまなマーケティング施策の結果を自動的に収集し、その効果をシステム上でリアルタイムかつ長期にわたって数値化し、可視化する。こうしてはじき出された数字を基に、従来どちらかというと「どんぶり勘定」になりがちだった企業のマーケティング施策の費用対効果をきちんと評価し、企業の予算や経営資源を適切に配分できるようになる。

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