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運用は何が変わる? メール誤送信防止ソリューションの基礎知識IT導入完全ガイド(3/3 ページ)

» 2016年03月01日 10時00分 公開
[酒井洋和てんとまる社]
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 メール誤送信防止ソリューションを導入することで、現場での運用はどんなことが変わってくるだろうか。ベンダー側では可能な限り既存の運用を変えずに誤送信を防止する機能を実装しているが、確認画面や相手からの問い合わせなど、従来とは少し異なった動きが必要な場面もある。導入前と何が変わるのか、その運用の違いについてみていきたい。

何も変更しないままセキュリティレベルを高めることは可能

 例えばメールの一時保留や添付ファイルの暗号化などの機能を使う場合、これまで通りにメールを相手に送信するだけで、何ら運用を変える必要はない。一時保留はメールの間違いに気付くための時間を作っているだけで、特に何もしなければ設定された時間が経過した時点で送信される。

 また、添付ファイルの暗号も、特定のドメイン宛やアカウント、特定の文言が含まれた添付ファイルのみ、といった形で事前設定しておくだけで、意識せずにメールを送れば自動的に暗号化してくれる。既存の運用を変えずとも最低限の誤送信対策は可能だ。

送信前にチェックするというひと手間

 メールを送信したあとに、自身でメールを確認するというステップを踏む場合、送信者はチェック画面でメールを細かくチェックすることになり、従来のメール運用にひと手間加わることになる。

 ただし、宛先ドメインごとの色分けをはじめ、暗号化の有無、添付ファイルの内容確認など、1つの画面で全てチェックできるような工夫が施されており、総合評価としての点数が明示されるソリューションもある。ひと手間加わるものの、チェック項目が可視化されすぐに確認できるような作りになっている。できる限り分かりやすくチェックポイントが可視化できるものを選んでおきたい。

暗号化に伴う運用の違い

 以前から添付ファイルの暗号化を行っている場合は、ソリューションを利用することで自動的に暗号化されるようになり、自身で暗号化するプロセスが軽減される。新たに暗号化に取り組む場合は、送信する際には特別な作業は発生しないものの「パスワードをなくした」「うまく解凍できない」「届かない」といった、相手からの問い合わせなどが新たに発生する可能性はある。

 パスワードの再送については、送ったパスワードのみを特定のアカウントに蓄積することや、自身にパスワードを返送しておく設定が可能なため、必要に応じて相手にパスワードを再度通知することは可能だ。もちろん、あらためて添付ファイルを再送し、新たなパスワードを相手に通知するといった運用でも問題ない。

 なお、GmailやOffice 365では、AESなどで暗号化されたメールは受け取りできず、パスワード付きのzipでしか相手に送れないので注意が必要だ。もし相手に届かないのであれば、暗号方式を変更するなどの対応が求められる。また、特定の企業ではzip自体を全て破棄しているなど、相手先のポリシーに合わせる必要がある。そのあたりの対応も従来とは異なるところだろう。

上長承認機能は当然運用が変わる

 送信したメールを上長やチーム全員で共有し、承認を得た上で送信するという上長承認機能を使った場合は、当然周囲を含めたメール運用は大きく変わる。一般的には、送信されたメールに対する「承認」「否認・差し戻し」「強制削除」などのステップがあり、承認者がメールに対してアクションすることが求められる。

 なお、確認した上で承認作業を行うだけでなく、誰も否認しなければ一定時間後に自動送信することや、逆に誰も承認しなければ一定時間後に強制削除するといった設定も可能だ。現場の運用に合わせて承認方法が選択できるようになっている。

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