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10万円台で買える「エントリーサーバ」決定戦IT導入完全ガイド(3/3 ページ)

» 2016年02月23日 10時00分 公開
[二瓶 朗グラムワークス]
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 エントリーサーバを選択するポイントについて解説していこう。取材したベンダーの率直なコメントから抽出したポイントなので参考になること間違いないだろう。

用途、目的を考える

 エントリーサーバをどういった用途で使うのか、その目的を見極めることがまず重要だ。というのも、例えばファイルサーバとして使うことが主だとすれば、BTOにおいてストレージを多めに搭載しないと!とか、業務アプリサーバとして活用するとしたら、CPUを高速なものにした上で搭載メモリにも余裕を持たせないと、といった思考ができるからだ。まずは何に使うのかを明確にしてから購入計画を始動させよう。

サイズ・静粛性はどうか

 エントリーサーバはサーバールームではなく、オフィスに配置されるもの。できれば邪魔にならない方がいいのは当然だ。エントリーサーバのサイズに関しては、タワー型、もしくはミニタワー型なので(実サイズは上で紹介した各製品スペックを参照いただきたい)、そうそう邪魔になるものでもない。重量に関しても同様だ。デスクトップPCが1台ほど増えるようなイメージで、オフィスの机上/机下、棚などに収めることができる。

 一方、オフィスに置くことで見過ごせなくなるのがエントリーサーバの静粛性だ。長時間動作を視野に入れているため、エントリーサーバは上位サーバ製品同様、筐体内の冷却が必須となっている。冷却手段はファンを使った強制吸排気によるものだが、そのファンの動作音は、製品によっては思ったより大きくなるもの。オフィスに置くことでその動作音が耳に障ることもある。エントリーサーバ製品によっては、製品スペックとして動作時の静音性がしっかり明記されているので、必ず確認したい。

管理機能も無視できない

 エントリーサーバはいくら簡易的に扱えるとはいえサーバはサーバ。管理をおろそかにすることで利用するときに不具合があったのでは元も子もないというもの。例えば上で紹介した「HPE ProLiant ML30 Gen9」「HPE ProLiant MicroServer Gen8」は、エントリーサーバでありながら、上位サーバ製品にも採用されている「iLO 4」という管理機能が搭載されている。

 特別な監視エージェントソフトなどをインストールすることなく、運用しているエントリーサーバの状態を監視できる機能だ。メディア要らずで各種ドライバーの提供が受けられたり、不具合が起きた場合には、サポートへ自動通報する機能なども搭載されていたりして、サーバ管理に不慣れな管理者でも安心してエントリーサーバを運用できる。そういった管理機能が充実しているか否かも、製品選びの1つのポイントとなるだろう。

サポート体制を確認する

 エントリーサーバを購入後、ベンダーから受けられるサポート体制を確認することも重要だ。多くの場合無償保証期間が付随するが、その期間はどのぐらいか、また有償でどれだけの追加サポートが受けられるかも確認したい。また、サポート対応時間が24時間365日であればより安心だろう。

 さらにサポート拠点が日本国内にあれば、万が一の場合に的確な指示を受けられる可能性が高いし、リモートサポートサービスが受けられればなお安心だ。そういった有償サポートについては、BTOの1メニューとして選択できることも多いので、予算に合わせて選択するといいだろう。

BTOの生産拠点も重要

 エントリーサーバの購入を検討するとき、BTO(CTO)で仕様を決定した後の生産拠点がどこであるかを知っておくことも重要だ。最近はPCなどでも「国内生産」が1つの売りになっていることが多いが、エントリーサーバでもそれは同じ。国内で生産し、組み立てられることで、注文後の納期が短くなる傾向にあると同時に、信頼性の高いサーバ製品を手に入れられる可能性が高くなる。

 もちろん海外製造のサーバ製品の信頼性が低いと言いたいわけではない。例えば製造時に各パーツが正確に組み込まれているかや、マニュアルや付属品が正確に封入されているか、外箱がキレイな状態で納入されるか、などといった細かい部分では、日本国内製品のほうが優位に立っているのは確かなようだ。生産拠点がどこにあるのか、納期はどれほどか、ということを確認して製品選びを実行したい。

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