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» 2016年02月22日 10時00分 公開

10万円台で導入できる「エントリーサーバ」の実力IT導入完全ガイド(1/3 ページ)

10万円台のサーバで何ができるのか。各部門独自での導入や中小企業での導入を考えた際、最も導入しやすいのがエントリーサーバ。上位サーバとは何が違う?

[二瓶 朗,グラムワークス]

 中小企業が自社でサーバ導入を考えたときや、部署内で運用するサーバを調達しようと考えたとき、まず目に付くのは低価格な「エントリーサーバ」ではないだろうか。多くのベンダーが発売しているサーバ製品群の中で、ほぼ確実に存在するクラスであるエントリーサーバとはそもそもどういう位置付けのサーバ製品なのか。まずはそのハードウェア特性を確認していき、なぜ安いのか、PCとは何が違うのか、また、エントリーサーバでできることはどういったことなのか…といったポイントを確認していきたい。

10万円未満で買えるエントリーサーバとは

 「エントリーサーバ」とは、サーバ製品群の中でも拡張性や冗長性などが控えめなサーバ製品だ。その多くは、基本的な設計がデスクトップPCとほぼ同一である「PCサーバ」に分類される製品だ。また、ハードウェアやOSに習熟したユーザーでなくても、導入や運用、管理が容易ともされる。まさにサーバ管理の「エントリー層」に向けた製品ともいえる。

 その価格は、製品によっては10万円を切るものも少なくない。10万円未満の製品であれば消耗品として経費計上できるため、スピードが求められる導入にはありがたい話になる可能性もある。ただし、OSレスだったりハードウェア構成が最小限だったりするため、購入してすぐにサーバとして運用開始できるとは限らないので注意したいところだ。

 逆に、購入後すぐに稼働開始できる仕様のエントリーサーバとなれば、10万円台半ば〜20万円台となる。しかしそれでも、一般的なサーバと比較すれば低価格であることは間違いない。ここでは、そんな10万台円半ば〜20万円台のエントリーサーバ製品を中心に話を進めていく。

エントリーサーバと上位サーバ、PCとの違い

エントリーサーバの外観 図1 エントリーサーバの外観エントリーサーバの外観はタワー型のデスクトップPCと大差ない。写真はDELL「PowerEdge T130」(出典:デル)

 エントリーサーバが、ハイエンドサーバやミッドレンジサーバのような上位サーバ製品と大きく違うのはそのスペックだ。ハイエンドサーバやミッドレンジサーバは、基本的に無停止で大量のデータを高速で処理することを目的としているため、電源ユニットやストレージが冗長化されていたり、ホットスワップに対応していたりする。

 また仮想化のために高性能なCPUが採用されると同時に、複数のCPUもサポートされる上、搭載されるメモリやストレージの容量も大きくなる傾向にある。将来的な運用を見越して余裕のある拡張性を持っている製品も少なくない。上位サーバ製品の多くは、サーバルームやデータセンターなどのラックに設置されることが前提のため、ラックマウント型の筐体であることも多い。


エントリーサーバの内部構造 図2 エントリーサーバの内部構造(出典:デル)

 一方でエントリーサーバの外観は、一見するとタワー型やミニタワー型のデスクトップPCと区別がつかないほどだ。内部設計も同様。ただしその中身はしっかりとサーバであり、PCとは異なっている(ベンダーにもよるが、組み立て方もPCとは異なっている)。

 まず、サーバ向けに設計されたマザーボードが採用され、Xeonシリーズのようなサーバ用CPUが利用できたり、ストレージのRAID構成が標準で実装可能だったりする。また、搭載されるメモリも信頼性の高いECC機能を搭載したメモリが採用されているのが一般的。電源ユニットに関しても、冗長性こそないものの24時間365日の連続駆動に耐える高性能なものが採用されている。

 また、エントリーサーバは上位サーバのようにサーバルームなどに配置されるのではなく、一般的なオフィスに置かれることが想定されている。タワー筐体であるために本体をラックに固定する必要がなく、普通に床や棚などに置くことができる。

 特殊な電源を必要とすることもなく、サーバルームのように空調で筺体を冷却する必要もない。要はタワー型やミニタワー型のデスクトップPCと同様に運用できるということだ。筐体の静粛性も保たれているため、たとえオフィスで24時間駆動させたとしても駆動音や冷却ファン音が気になることはほとんどない。低価格なだけでなく、取り扱いが容易であるところも、エントリーサーバの大きな利点の1つだ。

上位サーバとの比較 図3 上位サーバ(ブレード、ラックマウント)との機能や価格の比較
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