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» 2016年02月17日 10時00分 公開

IT導入完全ガイド:大予想2020年、統合運用管理はどうなっている? (1/3)

ビッグデータやAI、IoTといった新技術がシステム運用管理にどのような影響を与えるのか。今後続々と実用化されるであろう先端技術を取り入れた統合運用管理製品の未来予想図を描いてみる。

[吉村哲樹,オフィスティーワイ]

 ビッグデータやAI、IoTといった新技術が企業ITのさまざまな分野で応用され始めているが、システム運用管理の分野も例外ではない。早くもこれらの新技術を統合運用管理製品に取り入れ、システム運用のさらなる効率化や自動化、品質向上に役立てようという試みが始まっている。これらが実現された暁には、現在のシステム運用管理はどのような形に姿を変えるのだろうか。今後続々と実用化されるであろう先端技術を取り入れた統合運用管理製品の未来予想図を描いてみる。

仮想化、クラウドの普及により新たに持ち上がった課題とニーズ

 仮想化やクラウドの普及は、企業ITのユーザーはもちろんのこと、その運用にかかわる人々にも多くの恩恵をもたらした。これまでアプリケーションや業務によってばらばらに構築、運用されてきた、いわゆる「サイロ型」のシステムを仮想化やクラウドの技術を使って共通のシステム基盤上に集約し、システム運用管理の作業を一元化することで少ない人数でより広範なシステムの運用が担えるようになった。

 しかし、システム基盤を共通化したことで、一度インフラに障害が発生するとそれがアプリケーションや業務に及ぼす範囲も広くなった。にもかかわらず、仮想化やクラウドに特有のミドルウェア層がシステム構成に新たに加わったため、障害ポイントの数はかつてのサイロ型システムより多くなった。結果として、システム障害への初動対応や復旧はよりシビアになったといえる。

 こうした状況を受け、現在さまざまなベンダーから障害の検知や原因分析、復旧を支援するツール製品が提供されるようになってきた。そしてそれらの多くは、最新のビッグデータ分析やAIの技術を取り込むことで、急速に進化を遂げつつある。以降で、それらのトレンドの一端を紹介していきたい。

さまざまなシステムから収集したイベントやログを集中管理

 現在、主要な統合運用管理製品が力を入れている機能の1つに「統合ログ管理」「統合イベント管理」がある。これは、システムを構成するさまざまなコンポーネントからイベント情報やログを収集し、一元的に管理するというものだ。オープン系システムは一般的に複数ベンダーの多種多様な製品によって構成されるため、それぞれが出力するイベント情報やログデータのフォーマットも異なる。

 それらを個別に参照、分析するだけでも骨の折れる作業だが、多くのコンポーネントが互いに複雑に絡み合いながら動作する仮想化、クラウド環境においては、障害の原因を迅速に切り分けるためには、複数のサーバや機器が出力するイベントやログを互いに突き合わせて、相互の関連性を分析する必要が出てくる。

 これを人手で行うには相当な手間が掛かり、自ずと原因究明と復旧までの時間もかかってしまう。1つの障害の影響範囲が多くのユーザーや業務に及ぶ仮想化、クラウド環境において、これは致命的だ。そこで複数のサーバや機器、ソフトウェアからイベントやログを自動収集し、互いのフォーマットの違いを吸収して横串で情報の検索や分析が行える仕組みを提供するのが、統合イベント管理や統合ログ管理といわれる製品群だ。

 特に、仮想化によるシステム基盤集約の流れが一般化して以降、多くの統合運用管理製品がその機能を取り込んできた。その多くは、オープンソースのシステム監視製品や、サードパーティー製品からも広くイベントやログを収集できる「オープン性」をうたっているのが特徴だ。

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