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» 2016年01月20日 10時00分 公開

5分で分かる最新キーワード解説:光ディスク多層化の限界を軽く超越する「超大容量ホログラムメモリ」とは? (1/3)

従来1TBが限界とされてきた光ディスクの限界を超え、5インチのディスクなら2TBもの大容量を実現。その100倍も夢じゃない驚きの技術とは?

[土肥正弘,ドキュメント工房]

 今回のテーマは5インチディスクなら2TBのデータを記録できる「超大容量ホログラムメモリ」だ。データをディスク上の「点」に書きこむのが従来の光ディスクなら、QRコードのように面にページ単位で書き込むのがホログラムメモリ。レーザー光の角度を変えることでディスクの同一箇所に複数ページを書き込めるため、大容量化が期待できる。

 従来の光ディスク方式では限界と考えられていた1TBを超えて、2TB(DVDの約400倍)の超大容量ディスクで実用レベルの高速転送が可能な技術が世界で初めて開発され、実証された。将来的にはその10〜100倍以上の大容量データをディスク1枚に記録できるようになるかもしれない。

「超大容量ホログラムメモリ」とは?

 2つの方向から来る光の干渉でできる「干渉縞」の明暗パターンを感光材に記録したものが「ホログラム」。ホログラムを作るための技術を「ホログラフィ」という。ホログラフィでは光の強度や波長だけでなく位相も含めて記録できるため、画像に応用すれば3次元(立体)画像を感光材上に描ける。ホログラム画像の例は、クレジットカードやお札、有価証券、製品の偽造防止用ステッカーなどさまざまな場面で見ることができる。

 この技術をデジタルデータの記録に応用したのが「ホログラムメモリ」だ。その研究の最新成果として、5インチディスク全面に2TBもの大容量データを記録した上、実用レベルの転送速度、安定性、媒体の互換性も実現できることが、2015年11月、世界で初めて実証された(東京理科大学基礎工学部の山本 学教授、三菱化学、ナノフォトニクス工学推進機構、大日本印刷による共同開発)。

 新発明の「3次元クロスシフト多重方式」と呼ばれる記録方式を採用することにより、従来の光学系技術と簡易なディスクの回転、傾斜機構での読み書きを可能にした。2TBレベルのディスクは2020年ごろまでに実用可能になり、高密度記録技術を磨けば2030年ごろには10〜20TBに容量拡大が可能という。さらに媒体技術の進歩も見込めば数百TBレベルの記録も可能になるかもしれない。

 現在の光ディスク技術規格の最先端は「Archival Disc」規格だが、そのロードマップ上の最大容量とされている1TB(両面記録の場合)をはるかに超える大容量ディスクの実現がもう眼前に迫ってきているのだ。

超大容量ホログラムメモリ 図1 超大容量ホログラムメモリと実験システム(資料提供:東京理科大学 基礎工学部 山本研究室)
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