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» 2016年01月18日 10時00分 公開

どこに置く? 何に使う? もっと戦略的なバックアップを考えるIT導入完全ガイド(1/3 ページ)

データのバックアップは業務遂行において必要不可欠だ。しかし、バックアップを取るという手段がゴールになってはいないか?

[宮田健,キーマンズネット]

  IT化が進む企業において、データのバックアップは業務遂行において必要不可欠だ。しかし、バックアップを取るという手段がゴールになってはいないだろうか?本来の目的であるリストアまでをしっかりと視野に入れた戦略的なバックアップツール選びが求められる。

バックアップはハードウェアのオマケではない

 これまで情報システムにおけるバックアップは、システム構築の最後に余った予算で行われがちだった。例えば、一昔前のHDDはちょっとした衝撃ですぐに壊れ、消耗品と考えられていたので、サーバやストレージを導入すると「ツールが付属しているから」といった感じで半自動的にバックアップが設定された。とはいえ、バックアップ先のハードウェアを予算的制約から準備できない場合、バックアップは必要性は分かっていても現実的には導入を見送るといった判断に陥りがちでもあった。

 しかし、2011年3月11日に発生した東日本大震災は情報システム部門のバックアップに対する考え方を大きく変える出来事だった。もはやバックアップは単なるハードウェア障害対策ではなく、ディザスタリカバリ(DR)やユーザー自身によるセルフサービスでのファイル復旧、そしてセキュリティ対策として必須のものとして考えられるようになった。

 仮想化技術の登場により、1台の物理サーバの中に多数の仮想サーバを作るというスタイルは今では当たり前になった。しかし、環境の全てを仮想化できたという企業は少なく、仮想サーバが増大する一方で、仮想化できず依然として物理サーバのみで稼働するシステムも混在するのが実情だ。そのため、バックアップも物理/仮想サーバのそれぞれに対して行う必要があり、台数的にも方式的にもこれまで以上に複雑となっている。

 さらに、企業が取り扱うデータの複雑さが増していることもバックアップを難しくさせる要因の1つだ。昨今では企業はさまざまなデータを活用しているが、どの情報がどの程度重要なものなのかを整理できている企業は少ない。その結果、「取りあえず全て」をバックアップするしかないため、バックアップ計画の策定や適切な製品選定が行えないことが多い。

 そのため、ほとんどの企業は「旧来型のバックアップツールを使い、物理、仮想サーバにかかわらずこれまでのやり方でバックアップ」せざるを得ない状況なのではないだろうか。複雑さを抱えながら、リプレースするコストがない――それが、バックアップのリアルな現状だろう。では、あらためて「なぜ、バックアップを取るのか」を考えてみよう。

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