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» 2016年01月05日 10時00分 公開

IT導入完全ガイド:国内での遠隔会議と何が違う? 海外接続AtoZ (1/4)

海外との遠隔会議を実現する際には、日本とは異なる環境があることに注意すべきだ。中国におけるグレートファイアウォールや南北問題、文化の違いなど、海外接続におけるTIPSを紹介する。

[酒井洋和,てんとまる社]

 遠隔地同士を映像と音声を使ってつなぐことで、距離を超えた会議が実現できる遠隔会議。そのメリットが大きく生かせるのが海外との接続時だろう。ただし、日本国内同士での接続に比べて、海外との接続については十分検討する必要がある。そこで今回は、海外との接続で注意しておきたいポイントについて考えてみたい。

「海外と接続する」ということ

 大前提として、海外と接続するということがどういうことなのか、きちんと念頭に置いた上で環境作りを行っていく必要がある。

スケジュール調整には配慮が必要

 そもそも、遠隔会議の環境を使って接続するためには、こちらの都合だけでなく現地の都合も当然考慮すべきだ。時差などに配慮するのはもちろん、例えば週末の休みが日本と異なる国があるなど、会議を行うためのスケジュール調整には気を付ける必要がある。

 一例を挙げると、休日の概念が異なる国として挙げられるのがイスラエルだ。イスラエルでは日曜日から木曜日まで働いて、金曜日および土曜日が休日となるため、金曜日にミーティングを設定するのは難しい。逆に言えば、先方からは日曜日にミーティングを設定される可能性もある。スケジュールについての調整は、グローバルならではの配慮が求められる。

時間の感覚は普遍的なものではない

 日本の仕事環境は、何を行うにも時間を正確に守ることが一般的な慣習として根付いている。電車も時間通りにくれば、アポイントメントの時間も正確。何からの事情で遅れてしまう場合は事前に連絡するのがマナーとなっており、日本のビジネスマンは厳格な時間感覚を持ち合わせているといっても過言ではない。国内同士で遠隔会議を行う場合、当然ながら時間はしっかり守られるケースが多く、会議をすっぽかしたりするケースも起こりにくい。

 ただし、海外に行ったことがある人なら重々承知していると思うが、海外における時間の感覚は日本のそれとは比べものにならないくらいルーズなケースが多い。特定の国について言及するつもりはないが、1〜2時間は誤差の範囲として念頭に置いておかなければいけない国もある。そんな場合の対処については「1時間前の時間を通知しておく」といったオーソドックスなやり方しかないようだが、海外とやりとりする際には十分に起こり得ることだということを認識しておこう。

ジャパニーズカルチャーの理解

 日本では使い方として当たり前に見えても、海外では想定されてない特殊なケースもある。具体的には、遠隔会議端末の電源や設置に関する考え方だ。

 通常会議室に設置されている遠隔会議の専用端末は、海外ではずっと電源は入れっぱなしのケースが多い。海外製品では、使わない時にはスリープ状態にしておくことを想定して製品作りが行われているくらいだ。

 しかし、節電意識の高い日本では、家電製品と同じように利用が終わると電源をオフにするケースが少なくない。そういった利用が一般的だからなのか、端末の起動時間を速くしてほしいという要望が海外にある開発部門に寄せられることもあり、驚きをもって受け止められるという。

 海外では常時起動した状態のため、起動時間を速くしたいという発想がそもそもない。どちらがいいというわけではなく、海外と日本の大きな違いとして認識しておこう。

 また、本来は会議室に据え置くタイプの専用端末だが、日本ではカートに乗せて必要に応じて移動させるケースもある。稼働率を上げるという意味では理解できるが、動かすことでカメラを落下させてしまったり、ケーブルを断線させてしまったりするトラブルが相次ぐこともある。

 海外のサポート部隊からすると「何で電源を切るんだ?」「なぜ動かすんだ?」と首を傾げるケースもあるという。海外の人から見れば、まさに「ジャパニーズカルチャー」という特殊性が起こす事象だといえる。自身の運用がグローバルからみると不思議なこととして捉えられることがあることも事前に理解しておこう。

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