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» 2015年12月09日 10時00分 公開

オンプレミス型グループウェアからクラウドへの移行手順を考えるIT導入完全ガイド(4/4 ページ)

[西山 毅,レッドオウル]
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Notesマイグレーションのためのステップガイド

 柔軟性を提供する一方で、上記のような課題も抱えているNotes。それではユーザー企業がNotesから新たなグループウェアへ移行したいと考えたとき、何に留意し、どのような手順で作業を進めていけばいいのだろうか。次にこの点について考えてみたい。

今の使用状況を明らかにする(=現状調査を行う)

 これはグループウェアやNotesに限らず、あらゆるITツールのリプレースを行う際には必須となる項目だが、まずは今、どのような使い方をしているのかを洗い出すことから着手する必要がある。どの部署で、どんなNotesDBが作られ、稼働しているのか、またそれぞれの管理担当者は誰なのか、といった点である。

 この段階でまず、結局グループウェアの機能としてはメールと掲示板しか使っていなかったとか、文書管理も詳細なバージョン管理が必要なわけではなかったというような自社の利用実態が浮き彫りになってくる。またNotesDBが1000個あるが、アクティブに使っているのは実は100個だけだったとか、5年間アクセスされていないNotesDBが存在しているといった現状も明らかになる。つまりは他のグループウェアや業務アプリケーションでも代替可能な機能が見えてくるということだ。

Notesマイグレーションのステップ例 図2 Notesマイグレーションのステップ例(出典:富士ソフト)

本当に必要なNotesDBの精査を行う

 NotesDBとNotesそのものの利用実態を明らかにしたなら、次のステップとして、今あるNotesDBが本当に必要なものなのかを精査していく。ここで多くの場合、Notesでなくても実現できる業務が見つかることになる。

 一方でNotesDBでなければ難しい業務も、厳然として存在するだろう。それをどうするか。理想的には、Notesの全機能を新たな環境に一気に移行してしまうことが望ましいが、現実的には今投下できるコストやマンパワー、稼働開始までの期間など、さまざまな制約条件が出てくる。

 そこで自社のグループウェアの在り方、またNotesそのものを今後どうしていくのかという点まで見据えた上で、残すNotesDB、他の方法に置き換えるNotesDBの精査を行う必要がある。

移行先グループウェアの機能とのFit&Gapを行う

 NotesDBの精査を終えたなら、次のステップとして移行先の候補となるグループウェアの機能とのFit&Gapを行う。選択肢としては、要は現行利用しているグループウェアとしてのNotesの機能を、新しいグループウェア製品でも再現できるかどうかをチェックするのだ。一方でNotesのクラウド版も提供されているので、この選択肢も一度確認する手もあるだろう。

 また残すことを決めたNotesDBがあるなら、それらと新しいグループウェアや他システムとの連携をどうするか、他の機能に置き換えるNotesDBがあるなら、それを何にリプレースするのか、また同様に新しいグループウェアや他システムとの連携をどうするかまでを明らかにする。

NotesDBのデータをどうするかを決定する

 これは上記3にも含まれる留意ポイントだが、まず残すNotesDBがある場合、Notesのライセンスが切れてしまっても、参照用にNotesを残す選択肢もあるので、過去のNotesDBのデータは他システムとつないで参照するという使い方もできる。他の機能に置き換える/廃棄するNotesDBがあるなら、データをExcelやAccessに吐き出して保存しておき、必要に応じて見にいく、もしくは新しい業務アプリケーションを受け皿にして完全にデータ移行を行う手もある。特にデータの完全移行を行う際には、コストも時間も必要となる。自社の実情を鑑みながら対応策を検討することが求められる。

 そして実際の移行作業はスケジュールを組み、まずはIT部門のNotesDB、次に総務部門、その次に経理部門というように段階を経て進めていくのが現実的だ。並行して、新しい環境のユーザー教育も進めていく必要がある。

Notesデータ移行のレベル分け 図3 Notesデータ移行のレベル分け(出典:サイボウズ)
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