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» 2015年12月08日 10時00分 公開

「導入したのに、なぜ使われない?」グループウェアの活用法を見直そうIT導入完全ガイド(1/4 ページ)

「せっかくグループウェアを導入したのに利用されない」という悩みを抱える人も多い。使われない理由は便利さを感じられないことにある。

[西山 毅,レッドオウル]

 社内での情報共有を支援し、業務の効率化までをもたらすグループウェア。しかしグループウェアを導入したにもかかわらず、「どうも自社ではうまく使いこなせていないのでは?」と感じている企業も少なくない。そのモヤモヤの理由は、相応の初期コストや月額コストをかけているにもかかわらず、一部の機能もしくは一部の人にしか使われていないという状況に起因しているようだ。本稿では既存ユーザーが今一つグループウェアを使いこなせていない原因を明らかにするとともに、積極的にグループウェアを活用している企業の事例を紹介する。

グループウェアをうまく使いこなせていない4つのワケ

 あるグループウェアベンダーにユーザー企業から寄せられる相談の中で一番多いのが、「従業員がグループウェアに書き込んでくれないが、どうすればいいか?」という声だという。そもそも情報共有ツールであるグループウェアに何の情報も存在しなければ、グループウェアは無用の長物と化してしまう。

 なぜせっかく導入したにもかかわらず、社内で使われていない状況が生まれてしまっているのだろうか。それには大きく4つの理由が考えられる。

【その1】そもそも経営トップが使っていない

 まず一番大きな理由として挙げられるのが、経営トップ自身がグループウェアをほとんど使っていない現状があることだ。「情報共有のためのツールは入れた、後は皆で使いこなして効率化を図り、わが社の業績を上げてくれ」というスタンスでは、誰もついてはこないだろう。

 やはり経営トップ自らが積極的にコミットし、進んで情報を発信するとか、従業員の活動内容や日報に対してコメントするといった姿勢を見せることが肝要だ。企業経営者やマネジメント層がグループウェアを使うと現場も利用しやすくなるのは間違いない。まずは年始などの決意表明や社内への通達事項、あるいは社員のアクションに簡単なコメントを返すところからでもいい。グループウェアに対する経営トップの自発的、能動的な関わりが求められる。

【その2】グループウェアを使うメリットが従業員に十分に理解されていない

 一方、従業員側にグループウェアを利用するメリットがほとんどない場合にも、グループウェアの利用は進まない。例えば優秀な営業担当者ほど、自身の営業ノウハウや優良顧客リストを開示することで得られるメリットは少なくなる。自分が提供した情報によって他の営業担当者の成績が上がれば、相対的に自分の評価が低くなってしまうからだ。

 そこではグループウェアの利用で提供されるインセンティブが明確になっていなければならない。商談成立に至るまでの営業プロセスを公開した営業担当者には、査定アップにつながる評価ポイントを与えるなどといったことだ。

 この項目はグループウェアの機能の問題というよりも、企業風土や社内ルール、人事評価と大きく関係するポイントだ。今現在、社内でグループウェアの利活用が進んでいないという企業は、こうした側面からの活性化対策も検討する必要があるだろう。

【その3】既存のメールやファイルサーバの利用が「当たり前」になり過ぎている

 情報には大きく2つの種類がある。1つ目がストック情報、2つ目がフロー情報で、前者なら社内の規定集や業務マニュアル、後者なら社内告知や人事の発令などが挙げられる。さらにそれぞれで全社レベルの情報なのか、部門単位の情報なのか、あるいはプロジェクト単位か、個人レベルかといった切り分けがある。

 従来、ストック情報はファイルサーバで共有し、フロー情報ならメールで配信するという取り扱い方が一般的だった。しかしファイルサーバでは文書のバージョン管理が煩雑になったり、メールでの情報配信も関係者が複数になったり、やりとりが重なったりすれば過去の内容が分かりにくくなってしまう。ここで有用となるのが、グループウェアの文書管理機能や掲示板機能だ。

 しかしファイルサーバやメールが企業文化として「当たり前」になってしまっている状況では、不便を不便と感じることができない。自社の課題を自社自身で浮き彫りにすることは難しいということだ。そこで今、何か感覚的にでも自社の仕組みに煩雑さを感じている場合には、一度外部のコンサルティング会社やSIerの協力を仰ぎながら情報利用の現状を整理し、より効率的な情報活用の在り方を見直されてみてはいかがだろうか。

 ここでのポイントは、グループウェアの有効活用は「ファイルサーバ依存の文化、メール依存の文化からいかに脱却できるか」という点が大きな分岐点になるということだ。

【その4】グループウェアそのものの使い勝手が悪い

 ここまで述べてきた3つの使われない理由は、実はツールの機能以前の問題だった。しかし実際にグループウェアを操作してみて、その機能や使い勝手が悪い場合にも、やはり経営トップや従業員はグループウェアから遠ざかっていってしまう。

 そこで具体的なサービス選定を行う際には、自社が求める機能が提供されていることに加えて「毎日触りたくなるような工夫がされたツールかどうか」という視点を持つことが必要だ。それは、画面のインタフェースはもとより、グループウェアを使うことで業務のスピードがどんどんアップするとか、日々の仕事がどんどん楽になるといったメリットを実感できるツールかどうか、ということである。

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