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» 2015年11月19日 10時00分 公開

BYOD、CYOD、COPE、スマートデバイス業務利用の選択肢すご腕アナリスト市場予測(3/4 ページ)

[城田真琴,野村総合研究所]

COPE、CYOD、COBOという考え方

 日本企業に比べてBYODの導入がはるかに進んでいる米国企業の間では、前述したように、BYODを「Bring Your Own Disaster」とやゆし、日本企業と同様にセキュリティ面や情報漏えいの面を不安視する声も大きくなってきている。

 こうした中で勢力を強めているのが、会社が選定した特定のデバイスを一括購入し、MDMツールのインストールなど、あらかじめセキュリティ対策などを施した上で従業員に支給する形態である。この形態はBYODを敬遠する国内の大企業が以前より推進してきたものであり、目新しさは感じられないが、2つの取り組み方がある点は覚えておいて損はない。

 1つは支給したデバイスの私的利用を完全に禁止する方法、もう1つは私的利用を会社として認める方法だ。最近では、前者を「COBO」(Corporate Owned Business Only)、後者は「COPE」(Corporate Owned, Personally Enabled)と区別して呼ぶことがある。

 COBOは会社による利用制限や管理が行き届くため、セキュリティ面、コンプライアンス面では安心できる方法になる。ただし、端末選択の自由度がなく、私物端末との2台持ちになるケースが多いため、従業員の満足度や利便性向上にどれだけ貢献できるかは分からない。また従業員の一存で端末を新しくできるBYODとは違い、端末は時間とともに陳腐化していくことになりかねない。

 COPEは、会社が選定した端末を一括購入し、あらかじめセキュリティ対策などを施した上で従業員に支給するという点ではCOBOと同じであるが、プライベートでの利用を許可するという点で大きく異なる。私的利用が行われる前提であるため、セキュリティ面でCOBOより劣る他、私的利用の状況が会社側に知られる可能性があるので、従業員側に不安を抱かれる場合もありそうだ。

 COBO、COPEに加え、CYOD(Choose Your Own Device)という形態もある。これは会社側が事前にリストアップした幾つかの端末の中から従業員に好きな端末を選んで使ってもらうという方法だ。COPEとBYODの中間の位置付けで、会社として管理可能な範囲で従業員による端末選択の余地を残すことで従業員の満足度向上を狙ったものである。

 従業員の多様なニーズを満たす端末を常に提供できればよいが、現実としては情報システム部門の限られたリソースの範囲でサポート可能な機種を2〜3種類選定する程度になりがちである。このため、管理コストが増加するわりには、従業員の満足度がさほど向上しないといった中途半端な状態に陥ってしまう可能性もある。

 ここまで説明してきた4つの導入形態の違いを表1に示した。それぞれに一長一短があり、多様な企業のニーズを全て満たす形態はない。企業として何を重視するのかによって導入形態を決める必要があるだろう。ただし、全部門が必ずしも同じ形態である必要はない。例えば、部署の業務形態に合わせ、「ある部署ではBYOD、別の部署ではCOBO」といったように複数の形態を導入するケースもあり得る。

 なお、CYODにはプライベートの利用を許可する場合としない場合がある。この表では許可しない場合を想定している。

BYOD、CYOD、COPE、COBOの違い 表1 BYOD、CYOD、COPE、COBOの違い(出典:NRI)

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