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アプリケーション仮想化の実力、IE8サポート終了の「延命策」としても注目IT導入完全ガイド(2/4 ページ)

» 2015年10月06日 10時00分 公開
[酒井洋和てんとまる社]

IE延命4つのシナリオ

 2016年1月にサポートが終了するIE8のサポート終了に向けて、幾つかの延命方法が提示されている。具体的には以下の4つが考えられている。「サポート対象のIEに対応」「IE11のエンタープライズモードで対応」「アプリケーション仮想化によるIE配信」「アプリケーション仮想化によるセキュアブラウジング」の4つだ。

 最初の「サポート対象のIEに対応」については、古いWebアプリケーションを新しいIEに対応するべく改修する方法だ。これができればもちろん言うことはないだろう。コストとの兼ね合いではあるが、もっともベーシックな方法といえる。ただし、全てのWebアプリケーションの動作検証を行うため、検証期間が長くなり管理者の負担は大きなものになる。

 次の「エンタープライズモード」については、IE11上で提供されている下位バージョンの環境をエミュレートする「エンタープライズモード」を活用する方法だ。この方法によって、Webアプリケーションが従来通り活用できるようになる。ただし、これも互換性が完全に保証されるわけではなく、結果としての検証作業は必要になる。最初の方法よりはコストも少ないと考えられるので、一度試してみることが大切だ。

IE対応の例 図1 IE対応の例(出典:シトリックス・システムズ・ジャパン)

 そして次の「アプリケーション仮想化によるIE配信」が、アプリケーション仮想化による実装だ。クライアントPCは全てサポートされるIEを使うものの、古いIEをサーバ側で動作させ、その結果を画面転送でクライアント側に表示する方法だ。この方法であれば、インターネットなど日常的なWebブラウジングはサポートされているIEを利用し、互換性に問題のある古いWebアプリケーションはアプリケーション仮想化経由で古いIEを活用して実行すればいい。

 最後の「アプリケーション仮想化によるセキュアブラウジング」については、クライアントPC上のIEは業務アプリケーションにアクセスするために古いままにしておき、インターネットなどに接続する際のWebブラウザをアプリケーション仮想化経由で利用する方法だ。インターネット接続がアプリケーション仮想化によって配信されるIEによって行われるため、ウイルス感染や標的型攻撃などのリスクを最小限に抑えられるようになる。

アプリケーション仮想化でのIE対応例 図2 アプリケーション仮想化でのIE対応例(出典:シトリックス・システムズ・ジャパン)

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