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» 2015年09月07日 10時00分 公開

失敗事例から学ぶ、失敗しない「UPS」選びIT導入完全ガイド(5/6 ページ)

[二瓶 朗,グラムワークス]

 最後に、UPSの製品選びのポイントを解説しよう。オフィスおよび企業内のサーバルームで利用するUPSの選定にはセオリーがある。それに従えば、各メーカーの製品ラインアップから、ふさわしい製品を選択できるだろう。

製品の形状を選択する

 UPSを設置する場所を想定して、製品形状を選択する。サーバラックに設置するならラック形状の製品を、デスク下や棚などに設置するなら据え置き型を選択することになる。このとき注意したいのは、排熱のための空間や、排熱ファンの清掃のためのアクセスのしやすさなどを考えておくこと。また、UPSのインジケーターを確認できるような配置にすることも重要だ。

給電方式を選択する

 オフィス向けのUPSならば給電方式は「ラインインタラクティブ方式」か、「常時インバーター方式」かの選択となるだろう。

 瞬断(10ms以下)をまったく許容しない、あるいは外部電源にトラブルが発生した場合でも給電が途切れることなくUPSのバッテリー給電に切り替わることを求めるならば常時インバーター方式を選ぶことになる。ただし、常時インバーター方式の製品はラインインタラクティブ方式の製品よりも割高だ。

 ラインインタラクティブ方式でも、電源トラブル時には10ms程度のタイムラグで給電可能だ。現在のIT機器の多くは、この程度の瞬断ではトラブルが発生する可能性は低く、一般的なサーバやPCなら懸念するほどではない。

コラム:正弦波出力と矩形波出力、そしてPFC電源

 電源トラブル時に給電するとき「矩形波」(オシロスコープで確認したときに角形の波形となる)で電圧を出力するUPSと、「正弦波」(滑らかなサインカーブの波形となる)で出力するUPSが存在する。

 矩形波出力UPSは、低価格・低出力のUPS製品であることが多く、それ以外の製品は正弦波出力になっていることが多い。かつては矩形波出力でも特に問題は起こらなかったが、最近のPCやサーバーで採用されている「PFC電源」が問題となる。

 「PFC(Power Factor Correction)電源」は、「力率改善回路電源」のこと。最近のPCやサーバでは機器に悪影響を与える高調波電流を防ぐため、電源にPFCを搭載している。PFC電源は、入力される電圧が正弦波であることが前提に設計されているため、矩形波出力で給電されると電源に負荷がかかり故障や動作不良の原因となりかねない。

 PFC電源も短時間なら矩形波出力に耐え得るというのが通説だが、電源トラブルに加えてハードウェアトラブルは避けたいもの。製品選択時には正弦波出力か矩形波出力かもキッチリ確認しておこう。

バックアップ機器の確定

 どのIT機器をUPSに接続するのかを確定する。このとき、サーバやPCだけでなく、ネットワーク機器や監視カメラといった機器もしっかり考慮することを忘れないように。「失敗事例」で紹介したような想定外の機器の電源トラブルの発生を防ぐためだ。

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