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» 2015年07月21日 10時00分 公開

組織を超えたコラボレーション基盤に進化するオンラインストレージ最新動向IT導入完全ガイド(1/5 ページ)

社内ユーザーのみならず社外の関係者まで対象を広げたコラボレーションを支える情報共有基盤として活用が進むオンラインストレージ。その最前線を徹底レポート。

[小山健治,キーマンズネット]

 当初は個人ユーザーのファイルの保存先、特定ユーザー間でデータ転送、交換を行う手段として利用が始まったオンラインストレージだが、現在ではファイルサーバに代わって社内ユーザーのみならず社外の関係者まで対象を広げたコラボレーションを支える情報共有基盤として活用が進んでいる。その背景にあるのが、クラウドの普及に伴うオンラインストレージサービスの多様化だ。大手外資系のベンダーも続々と日本市場に本格参入し、まさに群雄割拠の状況となっている。具体的にどんな特徴を持ったサービスが登場し、注目を集めているのか。今回は、その最新動向を紹介しよう。

エンタープライズ指向のクラウド型オンラインストレージが求められる理由

 さまざまな業務部門のユーザーが扱う情報(ファイル)は、OfficeソフトやPDFなどのドキュメントをはじめ、写真や動画、3Dグラフィックスなど、ますます多様化し、大容量化していく一方だ。

 しかも、これらの情報はオフィス内でのみ利用するわけではない。モバイル端末を使って社外でも利用したい、さらには社内外の他のユーザーとも共有したいといったように、利用範囲が拡大している。

 そうした中で問題となっているのが、シャドーITの増殖だ。インターネットで普及している無料のファイル共有サービスなどをユーザーが勝手に使い始め、オフィスのPCと個人用モバイル端末で情報を相互利用したり、社内外の他ユーザーとやりとりしたりといったことが、あちこちで起こっているのである。当然、こうしたクラウドサービスの利用に対して情報システム部門のガバナンスは効かず、セキュリティ上の重大なリスクとなる。

 この課題に対して多くの企業は、既存のファイルサーバへのリモートアクセスを許可するといった対処をとってきた。だが、そもそもファイルサーバ自体の使い勝手が悪く、個人のファイル置き場にしかなっておらず、情報共有基盤としての活用はなされていないことがほとんどだ。

 抜本的な課題解決を図るためには、シャドーITで利用されている各種サービスよりも、さらに便利で使い勝手の良い仕組みを会社側から提供することでユーザーを呼び戻し、情報システム部門によるガバナンスを回復させる必要がある。そこで注目されているのが、エンタープライズ指向のクラウド型オンラインストレージなのだ。

「無料版」と「有料版」の違いはどこにある?

 現在、クラウドを通じてまさに無数のオンラインストレージのサービスが提供されている。これらの中には、マイクロソフトの「OneDrive」やアップルの「iCloud Drive」、グーグルの「Google Drive」などのように、各社製品の正式アカウントを持つユーザーが無料で利用できるオンラインストレージも多い。

 ただし、これらの無料サービスは、そのユーザーが所有している複数のデバイスから情報を一元的に利用できるようにしたり、大切なデータをバックアップしたりといった、あくまでも「個人用」のサービスと認識しておくべきである。

 エンタープライズ用途としてオンラインストレージを導入するには、やはり「有料版」へのアップグレードは不可欠だ。さらに言えば、マルチベンダー、マルチデバイスのオープンな情報共有ニーズに対応するためには、DropboxやBoxなどのオンラインストレージ専業ベンダーが提供している有料サービスを利用するのが有利である。

 例えば、あるオンラインストレージ専業ベンダーは、下記のような特長を持つ有料サービスを提供し、企業内のディスクドライブを代替する。これにより、情報活用に対するさまざまな制約から個人や組織を解放し、生産性を高めることができる。

  • 120種以上のファイルタイプ、静止画、動画に対応し、PCやモバイル端末などの多様なデバイスから直接プレビューを行える
  • 目的のファイルから直接Office 365やGoogle Appsを起動し、クラウド上で編集や保存を行える
  • 共有リンクを使い、社内外の関係者と即時コラボレーションが可能
  • 各ファイルやフォルダに対して利用期限やダウンロードの可否、外部からのアクセスなどの権限を設定することで、どこで、どのように情報を使えるかコントロールする
  • ファイル統計(アクセスログ)を利用し、各ファイルに、誰が、どこからアクセスしたのかを把握する
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