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» 2015年05月27日 10時00分 公開

地下街でも居場所が分かる「地磁気データ屋内測位」とは?5分で分かる最新キーワード解説(3/4 ページ)

[土肥正弘,ドキュメント工房]

実証実験の結果と活用事例

 2014年から2015年にかけて行われたNRIによる東京・丸の内エリアでの実証実験では、

  1. 地磁気データマップの計測点の密度と測位精度の検証
  2. スマートフォンでの測位精度、反応速度、使い勝手などの検証
  3. 動線把握精度などの検証

などが行われた。

 その結果、およそ2〜3メートル程度の誤差で測位ができることが確認され、Blootooth測位並みの精度でより広いエリア(マップが現実的に作成、利用できるエリアサイズ)をカバーできることが分かった。

 また、Wi-Fi測位では精度が悪くなる吹き抜け構造のビルでも地磁気データ屋内測位では影響がないこと、モーターの影響などが心配されたエスカレータ近くよりもエレベータ近くの方が地磁気測位精度に影響を与えることなど、位置環境的な影響度合いについてのデータも集められた。

 地磁気測位の誤差が大きくなるような環境で精密な測位が必要な場合には、BluetoothやPDRなどの他の測位技術を組み合わせたハイブリッド測位が考えられる。地磁気による測位で得た位置情報を他の測位技術で補正して、より正確な測位に結び付けられる。

 例えば、店舗に備えられたiBeaconの発信機の設置位置があらかじめ分かっていれば、その電波を捉えて位置推定の精度を上げられるだろう。iBeaconの場合は、測位精度を上げる他にもプッシュ式での情報提供が可能なので、屋内測位技術の活用領域を広げるのにも役に立ちそうだ。

 なお、海外でも地磁気を利用した屋内測位技術は研究および活用されている。フィンランドのスーパーマーケットでは、商品検索から商品棚までのナビゲーションや位置を基にした広告表示を実現し、店舗売上の約10%増加に貢献した。また、同国の産業機械メーカーでは大規模工場内の従業員ナビゲーションに活用し、大量の機器のメンテナンス効率工場に役立てている。

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