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» 2015年01月19日 10時00分 公開

IT導入完全ガイド:「ワークフローツール」、こんなにあった業務改善効果 (1/4)

業務の電子化にとどまらず、基幹系システムとの連携による業務改善やコア業務の生産性向上が期待できるワークフロー。ツールの活用で業務改善した事例から意外な利用法を紹介する。

[土肥正弘,ドキュメント工房]

 伝票や帳票を起こして上司や関連部門の管理者などに承認を申請、承認担当者が内容を検討して承認、保留、差し戻し、却下といった判断を下す作業に伴う間接コストと時間の節約に貢献するワークフローツール。

 機能が洗練され成熟した現在、単なる業務の電子化にとどまらず、ERPや会計システムをはじめとする基幹系システムとの連携により業務改善やコア業務の生産性に結び付く機能に期待が寄せられるようになった。今回は、ワークフローツールの効果的な利用法とその価値にスポットライトを当てて、導入意義を考える。

ワークフローツールは業務改善、効率化ツールだ

 ワークフローツールを簡単にいえば、業務に必要な申請から承認までの流れを電子化、自動化する道具だ。これまでオフィスのペーパーレス化と間接業務の効率化、省力化を推進するために大きな役割を果たしてきた。その効果は、特定の業務に注目して見ると分かりやすい。表1は導入効果試算の一例だ。

ワークフローツールの導入効果の試算例 表1 ワークフローツールの導入効果の試算例(出典:パナソニック ネットソリューションズ)

 上記の(1)経費精算処理(2)勤怠管理締処理(3)週間報告書の年間短縮時間に相応する人件費を合算すると約2800万円となる。ワークフローツールを導入した際に削減できる年間経費だ。

 これを短縮時間で割り戻して1日当たりに換算すると、年間約2800万円を削減するには、1人当たり1日約5分を節約することで可能になる計算だ。「たった5分」と思いがちだが、500人規模の企業で年間にこの金額を削減できるとなれば、その効果は大きい。これを実現するのが、ワークフローツールだ。

 申請と承認の時間削減もさることながら、より大きな削減効果が表れているのが自動計算、他システムへの入力(転記)、記入の合理化、ファイリング(保管)といったポイントであることに注目したい。

 同様の効果はワークフローツールの導入支援サービスを提供するSIer取材によっても示された。ユーザー数1万人規模の企業の導入実績では、16の伝票フローを電子化したところ、年間約5万6000件の伝票処理で初年度合計4万3000時間の削減に成功した。

 社員の時給を5000円とすれば2億1500万円に相当する。ペーパーレス化による約60万円のコスト削減も加え、事前想定のコスト削減効果を3000万円ほど超えたといい、十分な投資効果が得られた。

 時間削減できた上位項目を見ると、「伝票回付移動の時間削減と不要な承認フローの整理」が最も効果を上げて約5490万円、その次は「申請の不備に対する問合せの時間削減」で約3920万円、次が「ファイリング作業の撤廃」で約2350万円、さらに「記入漏れ防止による手戻りの削減」効果が1180万円などとなっている。こちらも紙ベースではどうしても無理な自動化、省力化機能がコスト削減に効いているようだ。

大幅なコスト削減に成功したワークフローシステム 図1 大幅なコスト削減に成功したワークフローシステムのイメージ例(出典:CTCシステムマネジメント)
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