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» 2014年11月04日 10時00分 公開

MDMとは何が違う? 「MCM」が注目されるワケ (4/4)

[西山 毅,レッドオウル]
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PC利用の延長線上でモバイルデバイスの利用を考えるのはNG

 MCMの導入を考える際にユーザー企業が陥りがちな失敗は、モバイルデバイスの利用をPCの延長線上で捉えることだ。例えば、「社内のPC環境に対してマニュアル配信のソリューションを導入したが、あまり閲覧されなかった。だからMCMも使われないのではないか」と考えるのは誤りだ。

 PC環境とモバイル環境でのユーザー体験は、全く異なる。PCでは、見たいドキュメントが随時検索できて、必要なときに見られればいい。情報アクセスや情報共有の利便性の向上が期待される。

 一方、モバイル環境では、情報アクセスや情報共有も求められるが、それによって得られるユーザー体験は、単なる利便性の向上だけではない。

 顧客とのコミュニケーションが深まることで商談のスピードが上がり、さらなる取引の拡大という直接的な効果に結び付くかもしれない。モバイルユーザーの利用方法を分析することで業務プロセス改革につなげられ、新たなビジネスチャンスを喚起できるかもしれない。

 MCMの導入に際しては、何を実現したいのかを明確にし、業務改善も含めたロードマップを描いた上で臨むべきだろう。

まずは一番厳しいセキュリティ設定から始める

 MCMに求められるセキュリティは、「コンテンツをどう管理したいか」という視点から考える。デバイス自体やアプリケーションの管理が必要ならば、それはMDMやMAMの役割だ。まずはその点の見極めが重要だ。

 次に、MCMはモバイル環境でのコンテンツ作成や閲覧が基本となるので、セキュアなアクセス制御のレベルをどのように設定するかが大切なポイントだ。

 最初は一番厳しい状態から始めた方がいいだろう。状況に応じたセキュリティポリシーをいろいろと考えてから始めようとすると非常に負荷がかかる。エンドユーザーからリクエストを受けた段階で、その機能を開放すると何が起こるのかと考えていくことが現実的だ。

 導入直後は、管理者側もソリューションを完全に把握できているわけではない。最初から全ての機能を開放すると、「こんなこともできてしまった」という想定外の状況が発生する恐れもある。

キッティング作業の手順をチェックする

 MCMの導入に当たって、特にオンプレミスで利用環境を構築する場合には、エンドユーザーの使うモバイルデバイスに専用アプリをインストールする必要がある。その際に管理者のコンピュータから一括してアプリを配信できるかは、利用開始までの時間をいかに短縮できるかという観点からも重要なチェックポイントだ。

 端末ごと個別にアプリを入れるとなると、それをIT部門だけで行うには多大な手間がかかる。その作業はエンドユーザーに任せるとしても、個人の作業にはどうしてもバラつきが出てしまい、全員一律での利用開始は難しい。

 キッティング作業の手間は、ユーザー企業が初期導入時に甘く見ていて痛い思いをするところだ。事前にその手順を十分に確認することが肝要だ。

ユーザーのリテラシーを考慮した上で、使い勝手をチェックする

 MCMの利用におけるエンドユーザーの使い勝手を考えたとき、まず考慮すべきポイントは、そもそも自社の従業員がモバイルデバイスの利用に慣れているかどうかという点だ。

 PCとは異なり、モバイルデバイスは画面をタップしたり、スワイプしたりする操作が一般的だ。それを考慮した上で、MCM製品ではどういう操作性が最適か、あるいはここまでできればいい、という見極めを行った段階で、製品を選定する必要がある。

 一方、自社の従業員にはモバイルデバイス利用のリテラシーの有無にかかわらず、MCMの操作画面も、オフィス内のPCでファイルサーバを利用するユーザーインタフェースと同等のものを提供したいと考える企業もあるだろう。MCM製品の中には、そのようなニーズをかなえるものもある。

PCと同等の操作性を提供するユーザーインタフェース例 図6 PCと同等の操作性を提供するユーザーインタフェース例(出典:アクロニス・ジャパン)
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