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» 2014年09月01日 10時00分 公開

盛り上がるクラウド型CAD、企業の枠を超えたコラボも可能にIT導入完全ガイド(4/4 ページ)

[西山 毅,レッドオウル]
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 ここからは、「場所と時間の制約にとらわれることなく、設計者がクラウド上のCADデータにアクセスして設計作業を行うことを可能にするサービス」を前提に、クラウド型CADの選び方を解説する。

導入以前に設計業務の分析をしっかりと行う

 ネットワークを介してCADアプリケーションの機能が提供されるクラウド型CADでは、パッケージ製品と同等の機能をフルに利用することは基本的に難しい。

 2DCADで十分な領域であれば、特に気にする必要がないかもしれないが、例えば自動車メーカーなど複雑な3D設計が必要な企業では、自社で開発した設計関連のアプリケーションが何百という単位で存在する場合もあり、その全てをクラウドサービスが提供する機能で代替することは不可能だ。あるいは自社独自の設計方法を持っている企業もあり、クラウドサービス側の業務プロセスにはそぐわない場合も出てくるかもしれない。

 そこでクラウド型CADを導入する際には、まず自社の設計業務を整理、分析し、社内に残す機能と外部機能の利用で間に合う機能のすみ分けを明確にすることが重要だ。いわば設計業務の見える化で、この作業が全ての起点になる。

利用コストをチェックする

 CADに限らずクラウドサービスで提供されるアプリケーションの機能は、パッケージ製品に比べて限定的だ。そこで導入するクラウドサービスを検討する際には、提供される機能と月額利用料とをチェックすることが大前提となる。

 しかし最近では、パッケージ製品のフル機能を期間限定で廉価に提供するベンダーもある。上で紹介したPaaSとしてのクラウド型CAD関連ソリューションを提供するベンダーでは、PaaSの利用者に対して、3カ月あるいは1年という契約単位で、自社が提供する3DCADパッケージのフル機能を提供する。

 一般的に3DCADは何百万円もするもので、通常企業は設備投資として購入し、5〜10年間は利用することになる。しかし中堅・中小企業やスタートアップ企業では、高額な3DCADを購入することは難しい。とはいえ、例えばコンペに参加するためには、どうしても3DCADが必要な場面もある。

 そこでこのPaaSを契約すれば、3DCADアプリケーションをクラウドベースで例えば3カ月間だけレンタルし、さらにPaaSに搭載された3DCADを利用するための標準機能も十分に活用してコンペに臨むといった対応が可能となる。めでたくコンペに勝つことができたなら、さらに1年、あるいはパッケージ製品を導入するという選択肢も見えてくるだろう。まずは小さく始めることができるのは、やはりクラウドサービスの大きな魅力だ。

製品ベンダーやSIerのサポート体制をチェックする

 クラウドサービスの利用メリットとして、社内での運用や保守が不要といった点が挙げられる。特に中小企業やスタートアップ企業など、専用のIT担当者を置くことができない企業にとっては、端末ごとのCADアプリケーションのバージョンアップが不要になるだけでも利用メリットは非常に大きい。

 しかし、サービス選定時にはそれだけに満足することなく、製品ベンダーもしくは導入をサポートするSIerのサポート体制も十分にチェックすべきポイントだ。

 例えば、ある製品ベンダーでは多くの販社を抱えて、設計業務そのものに詳しい代理店だけでなく、解析までやりたいという企業ニーズにも応えられる代理店や基幹システムとの連携まで対応できる代理店など、ユーザー企業のニーズに応じて最適な代理店を紹介できる。こうしたキメ細かなサポート体制も見逃してはならないポイントだ。

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