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» 2014年06月09日 10時00分 公開

IT導入完全ガイド:残業代未払いにメンタル不全、勤怠管理が企業に必要なワケ (1/4)

管理職、年棒制、営業手当。残業代未払いに潜む勘違いをご存じか。サビ残撲滅の要、「勤怠管理システム」の思わぬ刺客とは?

[西山 毅,レッドオウル]

 2014年3月に「労働安全衛生法の一部を改正する法律案」が閣議決定され、今後、従業員50人以上の事業所に対して従業員のストレスチェックを行うことが義務付けられようとしている。裏を返すとこうした流れは、従業員のメンタル不全につながるような労働環境がまだまだ日本に残っているということであろう。

 今回は、労働環境を変える一歩として「従業員の勤怠時間の正確な管理」をサポートする勤怠管理システムに注目し、多様化しつつあるワークスタイルにも対応した勤怠時間管理を行うための機能などを紹介する。また、製品選定時の注意点を明らかにするとともに、導入時にユーザー企業が犯しがちな失敗についても触れる。

根本的な問題は労務管理、まずは現状をチェックしよう

 労働局の労働時間管理が非常に厳しくなっている。長時間労働が労働災害に発展するケースが増えているからだ。現在ではメンタル不全に加え、心疾患なども労災認定される場合が多くなっており、企業側としても、従業員の長時間労働には十分に気を付け、現場でのチェックを正確に行うことが求められる。

 勤怠管理システムは、従業員の出勤や退勤の時間をきちんと管理し、規定の労働時間以外がどれだけあるかを把握するためのもので、その目的は「労働時間を正確に管理すること」だ。しかし、そのためにはそもそも基本となる勤務時間をどう定義するのか、あるいはどんな場合に時間外労働とみなすのかといった就業規則を整備する必要がある。

 就業規則を見直して明文化し、それを実現するための仕組みと体制を整えて、必要に応じてITツールを導入するのだ。ここで求められるのは、いわゆる労務管理の視点で、場合によっては人事管理制度に手を加えなければならない可能性もある。

 まずは、外部専門家の知恵を借りるなどして自社の労務管理の実態を見える化するところから始めるのが、正確な労働時間管理の第一歩といえる。こうした専門知識を持つ企業では、例えばメンタル不全で休職中の従業員が復帰するまでのプログラムを提供するところもあるので、こうした問題に直面している企業にとっては、強い味方となる。

労務リスクチェックの方法と手順 図1 労務リスクチェックの方法と手順(出典:ヒューマン・プライム)

労働基準監督署の「臨検」に備えた準備を

 労働基準監督署は、企業が労働基準法や労働安全衛生法などに違反していないかどうかを調査する臨検監督を行う。会社の規模に関係なく対象企業を定期的に無作為に抽出して行われるものと、抜き打ちで行われるものとがある。現在、退職した従業員が未払いの残業代を企業に請求する事例が増えており、この場合には元従業員から申告された企業が優先的に臨検される。

 臨検の際に提出を求められるのが、就業規則や労働者名簿、さらには出勤簿や賃金台帳といった労務管理に関する各種資料だ。社内の担当窓口は人事部門になるが、自社が正しい労務管理を行っていることを証明するためには、やはりデータの裏付けが必要だ。そこでIT部門に求められるのが、勤怠管理システムを活用した正確な勤怠時間データの提出だ。

 特に現在では労働形態の多様化が進み、必ずしもオフィスに出社して働く従業員だけではなくなってきた。IT部門も日ごろから労務管理の重要性を認識し、万一訴訟に発展した場合にも、自社の正当性を証明するための「事実」を確保しておくことが肝要だろう。

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